何気無く ページ23
ロボロ視点
「ロボロくんの目って、女の子みたいだよね」
何気ない一言だった。
当時は笑って誤魔化したが、深く傷ついたことだけは覚えている。
俺だって、分かってんねん。
男らしい顔や目の色じゃないって。
分かってる。だから失望だったり、引かれたりしたくなくて。瞳を隠すために雑面をつけた。
見られたとき、どんな顔をされるか分からなくて、怖かった。
鏡に映る自分の目を見るたびに思ってしまう。
グルさんやトントンみたいな吸い込まれるような深紅だったら。
オスマンみたいな鮮やかな翡翠だったら。
コネさんみたいな透き通るような空色だったら。
鬱先生みたいな沈むような藍色だったら。
そんなこと、何十回、何百回も思った。
だけど、そんな都合のいいことは起こらない。
むしろ今日、顔を水鏡さんに見られてしまった。
勿論、めっっちゃ焦った。
でも、俺の想像していた反応とは全く違っていた。
深い黒色の瞳は、大きく見開かれ真っ直ぐ俺の顔を映している。
その瞳はきらきらと輝いていて。白い肌は少しだけ赤く染まっている。
女みたいやろ聞けば、水鏡さんは「信号は赤では渡ってはいけません」とでも言うように、「綺麗だ」と言った。
なにか良い言葉を言ったわけでもない。
むしろ語彙力足りんやろ、と思うくらいの言葉。
けど、笑いかける水鏡さんに、なぜか純粋に嬉しくなってしまう。
熱を帯びるのを感じる。
ふと、俺は水鏡さんよりも赤くなっていることに気づいてしまった。
恥ずかしくなり、思わずその場から逃げ出すように挨拶をして、彼女の来た方向に早足で歩き出す。
いや、ほんまごめんな水鏡さん…でも耐えられんかってん…
ひとりになって、少し冷静になる。
「…綺麗、なんかなぁ…」
「なにがや？」
「おぅわ！！ゾム！？びっくりした！！」
「くふふ、良い反応やな。で、どうしたん？紙外してただけでも珍しいんに、顔真っ赤やで」
はっ、とし、急いでずれていた雑面を付け直す。
視線が合わなくなるだけでちょっと安心するのはたぶん癖になっているからやろうな。
「な、なんでもないで」
「なわけないやろ。なんや、言ってみ」
「なんもないって言ってるやろ！！！」
「うるさ」
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お空の蒼い月(プロフ) - おしずさん» コメントありがとうございます！無我夢中になるほど読んでいただけたのですか！？冥利に尽きます…！ありがとうございます！！ (2020年11月4日 17時) (
レス) id: 94a6e4722e (このIDを非表示/違反報告)
おしず(プロフ) - 気になって読み始めたら、無我夢中で読んでました……控えめに言って天才です好き……。すごく面白くて読む度ワクワクしております！夢主ちゃんの顔面偏差値がわかるところも好きです…イージーモードかよ…。本当に好きです！応援しております！お体に気をつけて！ (2020年11月4日 10時) (レス) id: f2c187ecfd (このIDを非表示/違反報告)
お空の蒼い月(プロフ) - 暇人な名無しさん» コメントありがとうございます！ふふふ、emさんの絡みはこれから掘り下げていきます…！嫌っている理由もそのうち明らかにしていきます。お楽しみにです！ (2020年11月1日 13時) (レス) id: 94a6e4722e (このIDを非表示/違反報告)
暇人な名無し(プロフ) - えっ唐突に嫌ってる！？低姿勢な所が嫌なんかな...？ (2020年11月1日 13時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
お空の蒼い月(プロフ) - 寒凪レモンさん» ご指摘ありがとうございます。そうなんですか！？自分が調べたところだと別物なのかなと思っておりました…正直言葉選びは語感で決めていましたので、深くは考えてなかったです。ありがとうございます。 (2020年10月26日 22時) (レス) id: 94a6e4722e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お空の蒼い月 | 作成日時：2020年7月28日 23時
