楽園 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:634 hit

禁断その2 ページ3

｢それはな、もう好きって言う言葉でありふれていた。海が好きでよく、貝拾いをしていた。
その時であった。帽子が海風に飛ばされて
取ってくれた男の人がいたのじゃよ。
それは潮が引いた頃に繋がるミルキーロード｣

｢銀河の道…｣

｢(落としましたよ？)って言いながら来たのが未来の旦那さんじゃった。でも、あってはいけない存在。でも、遅かった。禁断の恋に落ちた
互いに惹かれ合うようにどこもかしこも、求めあって、寄り添うことを決めたんじゃが…｣

｢じゃが？それからどうなったのですか？おばば様｣

｢親と友達から大反対された、今すぐに別れろ！って鞭を使って痣を付けた。
悲しかったよ、でもその人はな、君を離したくない。｣

｢おばば様はなんて言ったのですか？｣

｢その言葉に惹かれてな、神の掟を破ってまで恋をして、彼は鞭で作られた痣にキス
まるで、私の心をいやすかのようにしてくれたんだ。そして感情を狂ったかのように愛し合い
子供まで恵まれた…その時間が今でも愛おしいよ…｣

｢おばば様…｣

嫌な予感…

｢そのあとどうなったのですか？おばば様
旦那さんと…｣

｢みんなから、差別され、殺された…
私の目のまでな…最後の口づけも交わしたよ。
あの人の最後の言葉を言ったんだ
お前のことは空からでも見ている。
アイシテル…｣

言葉が出ない…残酷。

｢おばば様…｣
そう言って背中をさする。

｢大丈夫じゃよ、心配してくれてありがと。｣

｢シホ…｣

｢その声は！シュウ？｣
突然おばば様が固まり声を震わせた。

私も驚いたそこには亡くなったはずの
おばば様の旦那さんがいた。

｢シュウーーーー！｣

｢おばば様！｣
おばば様は足腰だんだんと悪くなっているはずなのに、その時はまるで、活発な少女の姿に戻っていた。

抱き合って、何十年ぶりの口づけを交わして

おばば様は静かに涙を流した
でもシュウさんという人の姿はおばば様にしか見えていない。

禁断その3へ。続く