禁断その1 ページ2
私は結局、海辺で寝ることにした。
家に追い出されて、一回森林で寝ようかと思ったら、おばば様からは入ってはいけないって言われたの。
あっ、おばば様とはこの島の長老様
御歳90歳！
みんなからはおばば様って呼ばれているだ。
今日は満月。海を照らしてくれる絶好日和
一つ一つ照らす星もあり、手が届きそうな
向こうの島…会いたい…一目でもいいから。
痛むこの胸。夢に出てくる5人の男の人達。
なぜ、涙は出てくるの？苦しむ胸をそっと自分の胸に手を当てる。
やめて…あってはいけない存在だよね…
少しだけ衣を脱いでもいいよね？
胸元が見えるくらいまで。
誰も来ないよね？
信じて…この島は男の人は来ないから。
でも来た時は最初に触れてほしいところは、唇…
キスってどんな味するの？
考えているだけで切なくなる…
波音は私の悩みを増やしている
それは静かにザーザーと。
｢Aよ、こんな所にいたのか？｣
｢おばば様。｣
｢海、綺麗じゃのう…｣
｢はい…｣
｢どうかしたのじゃ？元気がないじゃないか？｣
｢いや、…何も無いですよ？｣
｢(溜息)、さては男島の事だな？｣
｢はい…｣
怒られるかな？
｢Aは恋をしたことあるかな？｣
｢いえ、ないです。母の教えをずっと守っています｣
｢偉いことだが…今ハタチじゃろ？｣
｢えぇ。｣
｢わし、昔そなたと同い歳頃ぐらいに恋をしたことがある。それは愛おしかった…｣
おばば様が泣いている…いつもは強気で
泣かない！って言っているおばば様が。
辛かったのかな？
｢おばば様、教えてくださいその話｣
｢いいじゃよ？それはもう…70年前のはなじゃ…｣
禁断その2に続く
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作者名：STAR Flower | 作成日時：2018年9月16日 14時
