【ｄ！】薬売り兼魔法使いです！【軍パロ】 (ページ31)

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この男もちょろいタイプページ31

あれから数日、ダラダラと薬草採集をし町で薬を売っていた。売れ行きは良い。これと言って大きな事件もなく穏やかに過ごしまったりと過ごしていた。
薬を売り、夕飯の食材を買って帰る途中、嬉しい情報が入ってきた。

「グルさん、我々国の前にサブハトという国に行きませんか？」
「A、すまん。俺は一日でも早く我々国に……」
「まあまあ、最後まで聞いてくださいよ。甘味祭が開催されるらしいんですよ。グルさん好きでしょ甘いもの。」
「寄り道も悪くないな。いつ開催だ？絶対に行くぞ。」
「明後日から一週間ぐらいやるみたいですよ。」
「明日出発しよう。薬草採集はもう大丈夫か？早くいきたいぞ。」

嬉しそうに夕飯のシチューを頬張るグルさん。よかった、寄り道許してくれて。サブハトの国でしか採れない薬草があるためどうしても行きたかったのだ。魔法スキルが上がり、薬草の群生地まで知ることができるようになった。便利。

ちなみに鎮痛薬の材料だ。一歩間違えたら麻薬にもなる、モルヒネみたいなお薬だ。扱いには十分に気を付けなくてはいけない代物だから神経を使わなくてはいけない。

「馬車なら手配しておきましたよ！」
「！？そうか。」
「ん？どうかしましたか？」

一瞬焦った表情が見えた気がした。しかし、気のせいだったかもしれない。

「何もない。じゃあ、明日の朝だな。」

「Aちゃん、ほんまに助かったわ。お礼にご飯でもどうや？」

馬車の中、向かいに座った男に手を握られる。少しヨレたスーツは気にならないが、タバコの匂いが気になる。そんでもって頭には包帯が痛々しく巻かれていてどうしても注目してしまう。
名前は鬱というらしい。私は鬱さんと呼んでいる。変わった名前だ。

彼が同じ馬車を共にする事となった発端は朝馬車を待っていた時だった。男が一人フラリとやってきてヘラリとお願いされたのだ。

「サブハト国に行きたいんやけど足がなくってな。一緒に乗っけてくれへん？」

グルさんは快諾していたが、その笑顔はどこか引きつっていた。
今も私の隣で鬱さんを恨みがましい目つきで睨みつけている。

「そんでお二人さんはどういったご関係で？」
「恋人だ。」
「違います。」

思わずグルさんの頭を叩く。スパンと良い音が鳴った。