□ ページ41
「そんな可愛い顔されたら行けなくなるんだけど」
玄関で拗ねた顔を両手で挟まれ、タコみたいな口になる。
「びぇきゅにょいりぇてから「ハハッ、何言ってか分かんねー」
ムッ。
邪魔な手を顔から離す。
「ベクの挿れてから行って！ 」
「うん。帰って来たら挿れてからイ クから」
「今！ 」
「Aちゃん、我慢して」
うっ、、、とんでもなく可愛い顔を出して来た。
最初は全然タイプじゃなかったのに……なんで今こんなに可愛いとか、かっこいいとか思ってしまう様になったんだろう。
これが恋なのか。そうなのか。
「早く帰って来てよね」
「ん。2時間で帰ってくるから。A、家に誰も入れんなよ？ お前が宿舎行くのも駄目だからな」
「……分かってるよ」
時々わたしの首元に、ベクの視線が移るのちゃんと分かってるもん。
その度に、困った顔して笑うのも気付いてるもん。
「あ！ 明日な「オフ！？ 」
「仕事。そうじゃなくて、明日も雪降るらしい」
「へー……」
まだ寒いのか。一体韓国の春はいつくるんだ。
「お前なあ、喜べよ」
「雪もういっぱい見たし、今日も見たじゃん」
「明日も降るから今日は最後の雪じゃないだろ？ 」
「それが何？ 」
「別れのジンクス！ 明日一緒に見なけりゃ大丈夫だから」
あ、あー。
「……ごめん。そんなジンクス日本に無い」
「へ 」
「わたしが作った。えへ」
お前……ってちょっと怒った顔になって、でもすぐ別れないならいいんだって、元に戻った。
「ベク、お詫びにベクの初雪のお願い叶えてあげる」
「え？ 俺、なんて願い、、、え！？ 」
「わたし、ベクの事だけ、だーい好きだからっ！ わっ 」
抱き着かれて真顔で顔を確認される。
「嘘じゃないよな？ 俺、信じるぞ」
「今日も明日も明後日もベクだけが好き」
「……ヤバ、俺の幸せの沸点低過ぎる。当たり前の事が今すっげー幸せなんだけど」
「なによそれ」
「三日後また確認するからな！ 」
もう馬鹿って呟くと、こっちが幸せになるくらいの笑顔で、ベクが「あいしてる」って言葉にした。
急に飛び出した日本語にドキドキする。
「Aは？ 」
えっ、それは言えって事、、、日本人は愛してるって言うの下手くそなんだよ、てか言わない、、、
「Aは？ 」
「……わたしも、ベクの事、」
誰かに面と向かって言うのは初めて。
「愛してる」
今迄の何より恥ずかしく、きっと、ぎこちなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2381人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もにか
| 作成日時：2017年1月14日 1時
