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髪を掴む手を一旦離そうかと頼んでみても、この女が離れない限り嫌だと拒否される。
そしてAに、俺から離れてとお願いしても
「ぜっーたい嫌！ 」と余計に力を入れられる。
駄目だ、もう手に負えない。
「何してるんでとぅか？ 」
ナイッスうー！ なタイミングでセフンがリビングのドアから顔を覗かせた。
「セフン、オッパっ……グスッ」
「痛っ！ 」
我に返ったのか、釣り上がってた目が下がり
鼻まで啜ってセフンの元へ走って行くサランちゃん。
「また泣かされたんでとぅか？ 」
「っ、Aさんがっ、うっ、」
や、なんかスゲーわ。
女ってみんなこうなの「悪い事言わないから、もう家政婦辞めた方がいいでとぅよ」
えぁ！？
セフン急に何言ってんだ。
びっくりする俺、サランちゃんもポカンとセフンを見上げている。
そんな中、俺の首にくっ付いたままのAがプッと小さく笑いを漏らした。
……こいつセフンを買収でもした？
「そんな事、っ、言わないで、下さいっ、うっ、……ベクオッパ！ 」
「は、はい！ 」
名前を呼ばれ身構える。
目元を拭って不安な表情を見せてくるサランちゃんが、さっき髪を引っ張ってた同一人物だとは信じ難い。
「そんな女のどこがいいんですか！ っギョンスオッパと付き合ってる「付き合ってねーよ！ 」
「え……」
あ、つい反応してきつい口調になってしまった。
「ジョンデオッパにも……ミンソクにも……手出してるのにっ……なんで、」
涙混じりの声が、か細く震えている。
「サランちゃん。あのね、ベクってね……」
俺がどう答えればいいか迷っていたら、Aが俺にくっ付いたまま顔だけドア側に向けて話し出した。
「変な事言うなよ」
一応釘を刺したのに、意味は無かった。
「デブとガキは嫌いなんだよ♡」
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作者名：もにか
| 作成日時：2017年1月14日 1時
