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「いや、俺ギョンスじゃないだろ？ からかってんの？ 」
「え、ギョンスじゃないなら誰？ どう見てもギョンスだけど……」
不安そうに眉をひそめながら言う。
本気で俺の事がギョンスに見えてる……？
こんな事って、あり……得る。
俺が知らない妹や姉が突然現れたりするんだから、俺がギョンスになる事だってあるかもしれない。
メンバー達が術にかけられたみたいになる可笑しなまやかしの中、いつも俺だけは正常だった。
だから今回も、そう言う事？
「……ギョンス？ 大丈夫？ 」
首を傾げて心配そうに見つめてくる。
近くで見れば見る程、痩せたなって思う。
「ん、大丈夫。俺はギョンスだ。うん」
「もっかい寝る？ 」
「いや、寝ない」
「あの話するの？ 」
「う、うん」
どの話かサッパリ分からないけど気になるから頷いた。
飲み物を持ってくると、立ち上がったA。
俺も床からソファへと座り直す。
せっかく2人でいんのに、ギョンスになってるって……。あーこれ、いつまでなんだろ。
水を手にすぐ戻ったAが隣に座って俺の手に触れる。
俺の手なんだけど、Aはギョンスの手を握ってるって事だから……複雑。
「あのね、ギョンスがまーくんと きよかちゃんに話してくれたやつ、すっごい嬉しかったよ」
まーくん？ きよかちゃん？
誰それ。
聞き覚えがあるような、でも無いような、分からないまま相槌を打つ。
「そこまで本気で考えくれてるんだって。正直びっくりしたけど嬉しかった。だから、わたしもちゃんとギョンスに答えようって思ったの」
え、え、これヤバイんじゃ……。
「しうちゃんの事、ちゃんとするから……待っててくれる？ 」
「え！？ 」
「なに驚いてるの？ ギョンスが言ったんじゃん。ベクと別れて、しうちゃんとの関係も綺麗にしてって」
はあああああ！？ あいつそんな事言ってたのか！
「……ごめん」
「え？ 」
「待てない」
「えーなんで？ すぐだよ？ 」
「実は、僕……他に気になる子が出来たんだ」
よし、焦ったけど、チャンスだろこれ。
ギョンスとくっ付かせてたまるかよ。
「ギョンス酷い。そんな簡単に心変わりするの？ 」
「ごめん。ごめんとしか言えない」
くっくっくっ。
「えー……、じゃあわたし、しうちゃんと付き合う！ 」
「はっ！？ なんでそーなるんだよ！ 」
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作者名：もにか
| 作成日時：2017年1月14日 1時
