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「薬は飲んだのー？ 」
買って来た物を冷蔵庫へしまって寝室へ入ると、布団から出たニックの顔だけがこちらへ向く。
その光景に思わず吹き出しそうになる。
絶対馬鹿。本当に馬鹿。
ベッドの下に座って、ジーッとニックの瞳の中にある目を覗き込む。
「本当変な事するなって思ったけど、なんか慣れてきたかも。ニック、イケメンだし」
「でもやっぱり良くないと思うんだけだなー、、、あ、熱は？ 」
ニックのおデコに手を当てる。うん、分からない。
布団を少し持ち上げてニックの首に手をそえる。
「……っ」
「っごめん。冷たかった？ ごめんごめん。ギョンス寒い？ 大丈夫？ 」
うんうん頷いてるニック。
寒いの？ 大丈夫なの？ どっちか判別つかない。
「……する事無いし、わたしも一緒に寝よーっと！ 」
立ち上がって布団の中に入ろうとしたら、バッとニックが起き上がった。
「なに？ 寝ときなよ」
ニックの腕がバッテンを作ってる。
「なんで？ わたしのベッドなんだからいいでしょ」
ニックの肩をドンっ。ベッドへ押し倒し隣にゴロン。
すぐに背を向けられたので、クソーっと思いつつ後ろから脇に腕を入れ込んでぴったりくっつく。全身密着。
はぁ……落ち着く。
「ギョンス、この前ごめんね」
聞いてるか聞いてないか分かんないけど……いや、絶対聞いてるか。
「あのね、ギョンスが嫌なわけじゃないんだよ？ ほら、この部屋はベクとずっと一緒にいた部屋だから」
「だからギョンスの部屋でだったら出来ると思う。……あ、でも隣の部屋ベクだもんね。やっぱり駄目だね」
ニック、微動だにしない。
「ギョンス？ なんでこっち向いてくんないの？ わたしの事嫌になった？ 」
「そうだよね、嫌だよね。メンバーの元カノとか、やっぱり嫌だよね。……それともシないから怒ってるの？ 」
「……ちゅーする？ でもそれ外さないんでしょ？ 」
「ギョンス、、、こっち向いて？ お願い」
全然、全然、動かない。
もしかして本当に熱？ なんかニックの身体が熱いような気もしてきた。被り物のせいで、意識無くなってるとかじゃないよね。
「っ……、 」
被り物から見えるうなじにぶちゅーと唇をくっ付けた。
反応した。大丈夫みたい。
「……ギョンス、今なら出来るかも。ね、シよ「っ俺はギョンスじゃねーよ！ 」
ガバッと外され宙を舞うニックの顔。
中から、出てきたのは赤い顔した汗だくベクだった。
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作者名：もにか
| 作成日時：2017年1月14日 1時
