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いっときの恥ずかしさよりも、1週間の飢えの方が辛いわたしは、今ニックの隣を歩いている。
スーパーまでの道のりは舞い散る雪で傘必須。
そのお陰で、この変人も上手く隠れていたけど店内ではそうはいかない。
近くにいる人、前から歩いて来る人、遠くに立ってる店員さんも、みんなしてギョッとした目をニックへ向ける。
そしてその目は、隣にいる普通人わたしへと移ってしまう。
「……ギョンス、すっごい目立ってるよ」
普段ほぼ変装無しで出掛けるギョンス、その時より遥かに多くの目を奪っている。
カートを押すニックは、ポンポンとわたしの肩を叩いた後、商品に目を移す。
気にするなって事？
「ギョンスはいいよね、顔隠れてるもん。ってかそれ、ちゃんと見えてんの？ 」
今度は親指を立ててOKサイン？
なんか、楽しそうだな。
「とにかく急ごっ」
いつも来てるスーパーなのに、変人認定されたら やっぱ嫌だ。
カゴに次から次へ食料をポイポイ放り込んで行き、満杯になったところでレジへ。
「わたし、トイレ行ってくるね」
前回同様、支払い時はトイレへGO！
横にいても払ってくれるとは思うけど、小さな罪の意識から逃げたくなる。
頃合いを見て、売り場に戻ると商品を袋に入れてるキツネのニック。
これ写真撮ってチャニョルに送りたい。
……あ、なんか手こずってる。
「やっぱり見え辛いんじゃない？ 取ったら？ 」
ニックは首を振って否定してわたしの大事な お高いお肉を乱暴に扱う。
「もうっ！ ギョンス下手！ わたしがやるから！ 」
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作者名：もにか
| 作成日時：2017年1月14日 1時
