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ベッドの側に人の気配。
寝たふりがバレないか、わたしの胸はドキドキしてる。
だけど、何か変。
ギョンスが部屋に入って来てから、もう5分は経ってる筈なのに、わたしを起こそうという行動が全く無い。
かと言って、帰るって事もしそうにない。
どうしたのかな？
だんだん不安になってきて、一度寝返りを打つ事にした。
「ん〜、、、んっ、ぎゃああああああああ！ 」
薄く目を開いた先に見えたものは、ギョンスなんかじゃなかった。
「な、な、誰！？ 」
飛び起きてベッドの端まで布団ごと移動する。
とんがった耳、大きな目、通った鼻筋。
目の前にキツネの被り物をした、多分男が尻餅をついている。
どうやら相手も、わたしの絶叫に驚いた模様。
「もしかして……チャニョル？ 」
これ、ニックだっけ？ ギョンスの横で確かチャニョルが被ってたシュールな写真を見た気がする。
首を横に振ったニックは、手の側に落ちている煙草サイズのメモ帳を持って立ち上がった。
……小さい。チャニョルじゃないや。
「って事は、ギョンス？ もうびっくりするじゃん。心臓止まるかと思った」
近寄って、被り物に手を伸ばす。
「なんでこんなの、、、」
ニックは一歩後退りして、メモ帳にポケットから取り出したボールペンで文字を書いていく。
《風邪引いて声が出ない》
「え！ 」
《Aに移ると困るから、これ》
「いや、普通のマスクしなよ。おかしいから」
《これしか無かった》
「そんなわけないでしょ。ね、風邪引いてるのに、そんなの被って苦しくないの？ 」
《平気》
サラサラとペンを走らせるニック。
ギョンスの奇行は自分と関係無い所でやってるのが面白いのであって、こんな風に側で…………。
「……仕事は？ 行かないの？ 」
《夜から》
「そっか。スーパー行きたいんだけど、外 雪降ってるし、風邪引いてるなら無理だよね」
《いいよ。行こ》
「それ被ったまま？ 」
何か問題でも？ と言わんばかりに大きく縦に首を振る。
問題、大アリなんですけど。
《勿論》
「……分かった。じゃあ、着替えるからリビングで待ってて」
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作者名：もにか
| 作成日時：2017年1月14日 1時
