あなたの弦音 (ページ10)

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九話ページ10

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｢えー、弓道部説明会によく集まってくれたのぉ。ありがとう。｣

トミー先生はそう言いながら少し礼をし、続けて、膝は崩して構わないという旨を告げた。

そこで一般の生徒達は正座から足を崩していた。

｢ではまずお願いじゃ。弓道は武道じゃ。挨拶をしっかりな。｣

トミー先生はそう基本の基本のようなことを言った。

｢はい｣

不揃いな声が上がる。既に弓道部に入っている人達からははっきりとした返事が、またその他の生徒からは少し間延びのした声が。

そこからもトミー先生が基本のことを少し教え経験者による射を見せることに。

｢そこの鳴宮湊くん。ちょっとひいてみてくれんかのぉ。｣

そこで予定とは違う鳴宮湊くんの名前がよばれた。

よばれた本人は驚き、元々ひく予定であったトミー先生の隣に立っている竹早くんはグッドとか呟いていて、生徒側に座っていた私たちの方は妹尾さんが段取りの書かれたメモ用紙を見つめながら段取りと違うと小さく言っていた。

｢無理です！それに俺、部員でもなんでもないし。｣

鳴宮湊くんはトミー先生の提案を拒否した。

大人しそうなのに拒否するだなんて、意志が固いのか、はたまた何か事情があるのか。

｢ここにおるほとんどがそうじゃ。｣

トミー先生は鳴宮湊くんにそう言い、対して鳴宮湊くんは

｢でも、静弥とか遼平が……｣

何とか回避しようとしていたが

｢君の射型は群抜じゃと聞いた。是非一度見せてくれんか。
みんなも鳴宮くんの射を見てみたいよのぉ？｣

とトミー先生が追い討ちをかけた。
生徒達はトミー先生に賛同の拍手をする。

それでも鳴宮湊くんがなかなか立たないでいると、後ろの小野木くんが立ち上がり矢を手にとり弓の重さを聞いたり矢の長さを確かめたりと小野木くん、七緒くん、竹早くんで準備が進められていった。

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