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八話 ページ9

「そこの男子お二人経験者ですよねぇ!
ちょっと来て貰えます?」


花沢さんが赤髪くんとピンク髪くんに声をかけた。


「オッケー!」

「あんた達は?」


ピンク髪くんはにこやかに、赤髪くんはそう問いかけながらこちらへ来る。


「風舞高校弓道部女子部員じゃ。
妹尾梨可さん、白菊乃愛さん、花沢ゆうなさん、服部=サシャ=舞鈴さん」


彼らにトミー先生が私たちを紹介し、紹介された私たちは順々に少し腰をおり礼をした。
花沢さんは、よろしく〜、と少し控えめに手を振っていた。


「弓道には男女の区別はない!仲良くな。」


トミー先生がそう言えば、ピンク髪くんも赤髪くんも


「はい」


と返事をした。多少ふたりの声音は違ったが。感じはとても良さそうだ。


「よろしく、僕は竹早静弥。」


竹早くんがそう自己紹介をすると


「俺は如月七緒でこっちの顔が怖いのが小野木海斗。」

「誰が顔怖いだ。」


如月くんが自分の分と小野木くんの分の自己紹介をしてそのまま会話はぽんぽんと進み


「呼び方、七緒とかっちゃんでいいよ。」

「よくねぇよ。……お前、どっかで見たことあるな。」


不意に小野木くんが竹早くんに目を合わせるとそんな疑問を投げかけた。


(入学式の時舞台に立ってたからとかじゃないのかな。)


なんて思っていると


「入学式じゃない?」


竹早くんがそう言った。でも、その時浮かべた笑顔は少し威圧的なような気がした。
それに小野木くんは納得いっていないような顔をしたが


「失礼しまーす!」


という元気な声で会話は中断された。
弓道場に入ってきたのは会話を断ち切った張本人の遼平。その後ろにはこの間の鳴宮湊くんがいた。


「グッジョブ遼平……。」


竹早くんが小さな声でそう呟いたのが私の耳に入った。

なんだろう。この間はそんなに固執してないように思ったのに、意外とその鳴宮湊って人にこだわってるみたい。


(何かあったりするのかな。)




〜・〜・〜


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2018.12.14 黒猫

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作者名:chatnoir-黒猫- | 作成日時:2018年12月4日 1時

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