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七話 ページ8

〜・〜・〜




「お前弓道とかやったことあんの?」

「ないけど、でも弓道って楽そうじゃね?」



「お正月くらいに弓道してるのテレビで見た。」

「かっこいいよねぇ、袴!」

「ね!」



「弓道女子ってレベル高くねっ?」

「袴ブースト……!」

「そのブースト俺たちにだってきく説あるんじゃね?」

「それなっ」



(はぁ、なんでだろう。)


やっぱりみんな弓道ってそういうふうにしか考えないのかな。
弓道は立派な武道だっていうのに。


こういう人達とはやりたくないなぁ。
もっと弓道に真剣な人とやりたい。


「キャー!!」


周りの生徒達の言葉で考え込んでいたら、扉の方から女子の黄色い歓声が聞こえた。


(今度はなんだ……。)


「メッハー!」

「メッハー!!」


歓声が聞こえた方からはそんなやり取りが聞こえた。


(め、めっはー?)


なんだそれ。全然わけがわからない言葉なのだが。何かの略語?それとも流行りの言葉?


(ダメだ。分からん。)


そんなこと考えていたら先程入ってきた人の後ろから誰かが顔を覗かせた。


「神聖な弓道場で、うっせぇんだよ。」


人壁からちらりと見えた赤い髪。


「ひぃ……。」


女子達は一斉に後ずさった。


(確かに、今のは少し怖かったな。)


でもどのぐらい弓道へ思いが強いかはよく分かる言葉だったな。


「さすがかっちゃんバリア。でもダメっしょ、女の子怖がらせちゃ。」

「かっちゃんはやめろ……。」

「かっちゃんはかっちゃんだろ。今更ほかの呼び方出来ないよ。」


最初に謎の言葉を話していたピンクの髪の人と赤髪くんが親しげなやり取りをする。


「はぁ、お前と同じ高校で部活まで同じなんて、最悪。」

「じゃあ、かっちゃんサッカー部行けば?」


ピンク髪くんは赤髪くんを上手にあしらいながら弓道場へと踏み込んだ。
その後ろを赤髪くんもついてくる。


「俺は弓一筋なんだよ。袴がはきたくて弓道始めたやつとは違うんだ。」


その際に言った言葉に私はこの人はいい人という判定が下った。


(うん。そういう心持ちがいい。)


私はそういう人と弓道がやりたいな。


「俺の袴姿は見かけだけじゃないよ!」


ピンク髪くんが赤髪くんの方を振り返ってそう言った。
こちらからは伺えないがきっとドヤ顔をしているのだろう。いや、キメ顔だろうか。





.

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作者名:chatnoir-黒猫- | 作成日時:2018年12月4日 1時

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