After story #33 ページ7
でもやっぱり人の目が気になった。
２人で会議室で資料を作成していたり、各種イベントの準備で一緒にいたりすると、必ず好奇の目とくすくす話す声がついて回る。
そんな中で、普段通りの(会社バージョンの)態度で接するのはなかなかきついものがあった。
ちょっと顔を見て話しただけでも、すぐに噂になるのだから。
くだらないことに神経をすり減らし、疲弊が増していく。
特にチャンミンくんの苛立ちは日に日に顕著になっていった。
遠巻きに女の子たちが私たちを見て、何やら耳打ちし合っているのに気づくと、以前は完全に無視していたチャンミンくんはぎろりとその子達をにらむようになっていた。
逃げるように女の子たちが去っていくと、深くため息をつく。
”大丈夫？”って聞けば、”何のことですか？”って澄ました顔で仕事に戻るチャンミンくんが心配だった。
周りを巻き込んで気を使わせて、自分たちも自然体で振舞えないのなら、何のために２人の関係を秘密にしてるんだかわからない。
つき合ってることをみんなに知ってもらった上で、いろいろ言われるほうがまだ納得できる気がする。
でも私はそれでよくても、社内恋愛を敬遠していたチャンミンくんにそんなこと要求できないしなあ。
CM「……大丈夫ですか？」
ふと、ため息が漏れてしまっていたらしい。
チャンミンくんがプレゼンファイルを綴じていた手を止め、私を見ていた。
A「あ、うん。大丈夫。ちょっと疲れたね。休憩しようか」
喫茶コーナーでも行って一息つこうと、会議室を出た。
少し歩いただけでも、すれ違う若い女の子たちの視線を感じる。
無意識にチャンミンくんとの距離が広がっていく。
足の速いチャンミンくんに合わせようとしなければ、それは自然なことだから。
斜め後ろから見えるその横顔が、私を気にかけてくれているのを感じる。
喫茶コーナーの自動販売機で缶コーヒーを買い、窓際にあるカウンターの空席にチャンミンくんが座った。
そのあとについてカウンターまで行き、固まった。
隣りに座るなんて……いいのかな。
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nonono - 何度読んでも凄くおしゃれで素敵なお話…ふと、読みたくなり、来てしまいます。 (2016年9月4日 18時) (
レス) id: 78cb99e02a (このIDを非表示/違反報告)
Coco-Liu(プロフ) - ひろさん» こんばんは。コメントありがとうございます！ (2016年6月13日 21時) (レス) id: 4c94aea9ba (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 最高！おもしろかった！ (2016年6月2日 8時) (レス) id: da6dda15ab (このIDを非表示/違反報告)
Coco-Liu(プロフ) - みよこさん» ご無沙汰してます！また読んでいただいて感謝します！ (2016年3月6日 23時) (レス) id: 4c94aea9ba (このIDを非表示/違反報告)
みよこ(プロフ) - またまた来てしまいました〜(≧▽≦)やっぱいいわ〜このお話。 (2016年3月1日 22時) (レス) id: f0031f2c29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Coco-Liu
| 作成日時：2015年5月20日 23時
