危険がない魔物�� ページ10
『清海A』
翌日。
朔間さんに呼び出された私は、嫌々ながらもレッスン室に向かっていた。
パフォーマンスを見るって、私にプロデューサーとして期待されても困るんだけど。
はぁ、とため息をつきつつ、レッスン室の扉を開ける。
『失礼します……』
しーん、と静まり返ったレッスン室には、見たことない人がいた。
褐色肌に艶やかな紫色の髪をした不思議な色気を放つその人。
練習着を着ているし、『UNDEAD』のメンバーだろうか。
伏せていた瞳をこちらに向け、表情を変えず私に近づいてきた。
「おまえがAか？」
『ぁ……うっす』
「俺は『乙狩アドニス』と言う。『UNDEAD』所属の二年生だ。」
『それじゃあ今日はよろしくお願いします』
「ああ、よろしく頼む。」
無表情の乙狩先輩は何気に怖かったけど、危険な雰囲気はしない。
息をついてリラックスする私を、先輩はまじまじと見つめた。
「おまえは小さいのに身体がしっかりしているな。安心だ。」
『！ わかります？ 最近ちゃんと体力つけようとしてんすよ。』
自転車通学のおかげで足腰は鍛えられているのだが、それだけじゃどうにも不安だ。
プロデューサーとして出来ることは少ないだろうから、せめて体力でもつけて設営とか手伝えるように、と。
『けど先輩もめっちゃ筋肉綺麗ですね。』
「ああ、最大限のことはしている。いついかなる時も身体は綺麗に保っておけと教えられているからな。」
『まあアイドルですしねえ』
服の上からでも分かる、がっしりと大きい身体。
もし男に生まれるなら私も乙狩先輩みたいな身体が良い。
「Aは強そうだが小さいから心配だ。もっと肉を食って大きくなれ。」
『……うわあ、『アニメ肉』だ。』
骨がついたあの大きい肉。
どこから取り出したんだろうか、てかそれずっと持ってたの？
尋ねたいのも山々だが、乙狩先輩が私の口の中に突っこんでくるので話せない。
『うぁっ!?』
「すまん、ちぎったほうがいいか。Aは口も小さいな。」
『けほっ……いや、ちぎっても別に』
「ほら、食え。」
急募・肉を押しつけてくる大男から逃げる方法。
後退りする私に不思議そうな顔をして乙狩先輩は近寄ってくる。
やめろやめろやめろ……！
もう駄目だ、と目をつぶった瞬間。
「わりい遅れた……！ あ？ 何してんだアドニス。」
ギターを抱えたメシアが現れました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 274人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
生しょうが - 澪。さん» 同感です…！楽しみにしてもらえて嬉しい限りです！更新頑張ります！ (2022年9月4日 22時) (
レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
澪。(プロフ) - 司くんは丸いぐらいが可愛いですよ、😌 いつも投稿楽しみにしてます！身体には気を付けて頑張ってください〜🔥 (2022年9月4日 20時) (レス) @page38 id: ebb5373f91 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» コメントも応援もありがとうございます！ぜひぜひ楽しんでいってください！ (2022年8月18日 22時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しみに読ませていただきますね〜！ (2022年8月18日 21時) (レス) @page4 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月18日 13時
