眠すぎた朝�� ページ22
『清海A』
『ふぁあふ、ねむ……』
自転車をゆっくり漕ぎながら、私はあくびしていた。
昨日の夜、思ったより調べ物が捗ってしまい、あまり睡眠を摂れていないのだ。
春の陽気は、そんな眠気を加速させる。
信号前に差し掛かると、背後から「あーもう！」と怒ったような声がしてびくっと肩が震える。
振り返った先には、私と同じ学校の制服を身にまとった男が二人いた。
だらんっとひとりに完璧に体重を預けている人は、どうやら眠っているフリをしている様子。
「だーっ！ 本当起きろ凛月！ 重いから！」
「ま〜くんの薄情者〜。その重さは俺の愛の重さだね……♪ ま〜くん良かったねぇ。」
「良かったねぇ、じゃねえよ！ まじで二年になってまでおまえのお守りしなきゃいけないとか勘弁だからな!?」
「……あー俺今何にも聞こえなーい。」
「りーつー！」
赤紫色の髪をした、前髪をバレッタで留めている人は、そろそろ我慢の限界らしい。
大声で話しているせいで、ひそひそと周りの人が遠巻きに見ている。
眠くて頭が回らない今、私の想像はあられもない方向へ飛んでいった。
このままだと、あそこのふたりが夢ノ咲だって知られて、学校にリークされて評判ガタ落ち。
その後「近くにいたのに何故注意しなかったんだ！」と理不尽に私がキレられ謹慎処分。
『母さんが泣く！！！』
「はっ？ 母さ……えっなに、大丈夫かおまえ？」
『貴方のせいで私の母さんが泣くかもしれないのでお手伝いさせてくださいお願いします何でもします』
「おー良いパシリ発見したじゃんま〜くん。こいつにカバン持たせれば〜？」
気だるげにあくびをしながら「俺はどーでもいーし」と付け足す黒髪の……先輩？
あ、タイの色が青だから先輩か。
夢ノ咲は学年別でタイの色が分かれていて、一年が赤、二年が青、三年が緑、ってな具合になってるはず。
「いや凛月、さすがに見ず知らずの女の子に荷物持ちはさせらんないだろ〜？ 何言ってんだ。」
「何でもするって言ってるのに？ あー、俺の世話係降板になっちゃうの嫌なんだ〜！ 可愛いねぇ。」
「そういうんじゃねえよ。本当ありがとな、気持ちだけ受けとっ」
『あの違います、別に先輩たちのためにするわけじゃなく、うちの母さんが泣かないための処置なんで。早く寄越して。』
「はっ……？ ちょっと、」
多分、今世紀最大級に眠かったんだと思う。
私がそう言って掴んだのは、黒髪先輩の手首だった。
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一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
