気づけばトリコ【檜山光成】 (ページ7)

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檜「あのさ、桜庭さん」

『なんですか、』

檜「担任から学校案内するよう頼まれてて、時間平気？」

あいにくにも教室への帰り方も分からなかったものだから不服ではあるがお願いすることにした

檜「俺、桜庭さんのことなんて呼んだらいい？」

『特になんでも構いませんが、』

檜「じゃあAちゃんでも良いってこと？」

『急に名前呼びですか、』

檜「仲良くなりたいなって思ってるし、もちろん俺だけじゃなくて他のみんなも良ければそう呼ばせて貰うよ」

『はあ、分かりました』

檜「髪、綺麗だよね茶色っぽくて艶があって」

『そうなの!!お母さん譲りの髪の毛でずっと大切で!! …』

やばい、やらかした

昔からずっとこの髪の毛が大好きで

褒められる度に舞い上がれる魔法の言葉で

だからつい騒いでしまった

『あっ、ごめんなさい、！あの、忘れてください、』

急いで補った。ただもうだめだ。

檜「そうやって自分の好きなとこ誇れるのすごい素敵じゃない？」

さっきまでかなりの苦手意識を抱いてた相手の

言っていることが刺さって何を返すか思いつかずまた

沈黙の時間が流れてしまった

檜「今日1日じゃ覚えられないと思うけど、分かんないことはこれからどんどん聞いてね、一応学級委員だからさ笑｣

檜「俺この後部活だから、じゃあね気をつけて」

『名前、なんて呼んだらいい、？』

檜「檜山でいいよ」

軽く微笑む彼と私は、傍から見たら少女漫画の様で

別に彼に恋心を寄せている訳でもなく

ただ隙を見せてしまった相手。