気づけばトリコ【檜山光成】 (ページ11)

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檜「髪、綺麗だよね茶色っぽくて艶があって」

これは本心。

生活習慣は爪や髪に出るって言うけどロングヘアでこれだけ綺麗さを保っているのは並大抵の努力じゃ実らない

『そうなの!!お母さん譲りの髪の毛でずっと大切で!! …』

微笑ましい。くしゃっと笑顔に変わった。

初めてみた笑顔。相当嬉しかったんだろうな

でも今は相当焦った顔をして

『あっ、ごめんなさい、！あの、忘れてください、』

取り繕ったその言葉はたどたどしくて

俺もどうにか肯定してあげたくて

檜「そうやって自分の好きなとこ誇れるのすごい素敵じゃない？」

まだ彼女の心は動揺しているのか返答はなくて

流石にこの状態で話されても可哀想だからその場を離れることにした。

檜「今日1日じゃ覚えられないと思うけど、分かんないことはこれからどんどん聞いてね、一応学級委員だからさ笑」

檜「俺この後部活だから、じゃあね気をつけて」

まだ動揺してるのか、果たして一気に興ざめられたか。

返答はなくその場を離れようとしたとき

『名前、なんて呼んだらいい、？』

聞こえるか聞こえないか程度のボリュームの声で

可愛らしくて崩れちゃいそうな声が耳に伝わった。

檜「檜山でいいよ」

振り返ってそう返した。