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印象最悪な初対面とは反して、その後の彼女への印象は右肩上がり。
理由をあげるならば、単に珍しかったから。
俺は有難いことに様々な方面で名を出させて貰っている。
だからか、俺に対してこんなにも馴れ馴れしく、尚且つ良い意味でふざけた態度をとる人間はここ最近目にしてこなかった。
それ故いつしか、彼女が電車に乗っていないと物足りなさすら感じるようになった。
「……今日はすぐに質問しないんだ、藤村さん」
「質問？……あ、考えてくんの忘れてたわ」
「考える？」
「そ。日頃の素朴な悩み、疑問、発見。それを探して考えを膨らませていくのが楽しーの。私のお母さんがソッチ系の仕事しててさ、毎日話してる内に私も感化されたかんじ」
細い二つの瞳は、窓の外をぼんやりと眺めている。
この僅かな会話の中で、彼女への印象がガラッと変わった気がした。
思っていたよりずっと深くて、奥底の見えない彼女の心の中。
余談だが、藤村さんの持ち出してくる質問のジャンルは、かなり不規則的だ。
スポーツ、日常アイテム、食事……とにかく多彩で予測しにくい。
答えられないというのもプライドが許さないので、電車に乗る前日には少し対策をしてきている。
……実際それが彼女の質問に一度もかすったことはないが。
だがクイズの時には成果を発揮していて、昨日なんて山本に「伊沢さんが強くなってる」って文句言われてたり。
「あ、じゃあ質問してきてよ」
「俺が？」
考える人の像のように膝に肘を、手を顎に当てて黙々と考える俺。
何があるだろうか、とふと藤村さんの方に目をやる。
一つ、思い付いた。
「藤村さん」
「別に下の名前で良いのに」
「じゃあAさん。最初に俺に質問してきたのってなんで？」
「適当」
「え、じゃあ俺だって知ってたんじゃなくて」
「うん、なんか格好いいなぁって思って話しかけたら伊沢君だった」
「へぇーそうな……は、えっ」
あまりにも流暢に話すもんだから聞き流してしまうところだった。
車内は騒音禁止、叫び挿入なるのを寸で堪えてAさんを見る。
格好いいなって、えっ。
混乱する此方を他所にアナウンスが停車を告げ、Aさんは荷物を持って立ち上がる。
「じゃ、また次の時に」
「え、ちょ」
呼び止める間もなく、Aさんの背中は人波に埋もれて去っていく。
一体何故呼び止めようとしたのか。
その答えは、早まる鼓動が全て物語っていた。
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やまうみ。 - 山さん» ありがとうございます！許可とらなくても良いんですか...？やっちゃいますよ...？山様も、僕の作品で書きたいものがあればどうぞどうぞ(無いと思うけど) 注意書しておきます、ありがとうございます！これからも続く限りずっと応援と尊敬と敬愛を忘れません！ (2019年10月22日 10時) (
レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
山(プロフ) - やまうみ。さん» 全然大丈夫ですよ、寧ろ許可なんて貰わなくてもどんどんインスパイアして貰えば…… 注意して欲しいこと……は、そうですね。万が一読者様に『パクりなんですか？』と聞かれたら事情説明がややこしそうな気も……その作品の中で注意書きは書いた方がいいですかね？ (2019年10月22日 9時) (レス) id: c5ddeb2343 (このIDを非表示/違反報告)
山(プロフ) - echoeighter8さん» 了解しました！他の作品も急ぎ足で書きますのでお楽しみに…… (2019年10月22日 9時) (レス) id: c5ddeb2343 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - 「時間制限賃貸彼氏」という作品をお相手と所々を改変して書かせていただいてもよろしいでしょうか。いや、ダメだったら全然断っても良いんです！この間のは拒否権がない感じになってしまったので。良いかダメか、注意してほしいことなど教えてください！ (2019年10月22日 8時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
echoeighter8(プロフ) - 山さん» 続編書いていただけるなら全然待ちます！ (2019年10月21日 13時) (レス) id: a38f594748 (このIDを非表示/違反報告)
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