時間制限賃貸彼氏＿ymmt ページ5
腕に付けた時計の針が、時刻が九時を回ったことを知らせる。
もうそろそろだ、待ち遠しくてついそわそわしてしまう。
緊張した時とかに貧乏揺すりをするのは癖だ、許して欲しい。
「あ、祥彰君!!」
「ごめんね、Aちゃん。待った？」
「ううん、全然！」
やっと来た。
とある駅前、ベンチに腰掛ける私に駆け寄る祥彰君に私は精一杯微笑む。
色黒な方の彼には白シャツがよく似合っている、パーカーのチョイスも絶妙。
「じゃあ行こうか！」
「うん」
その言葉を皮切りに、私達は指を絡めて並んで歩く。
今日は商店街の散策デート、待ちに待った予定の日。
“楽しみだね”と女子顔負けの笑顔で此方を向く彼は、まさに理想の彼氏。
「あ、あれ食べたい！」
「クレープだぁ！僕も食べたいな」
十時の間食と称して、ピンクのワゴン車で売られていたクレープを二人仲良く頬張る。
私はイチゴとホイップクリームがたっぷり入った物で、祥彰君はチョコソースとバナナのクレープ。
“チョコソース付いてるよ”と指差し私が笑えば、慌てて口元を拭う彼。
「じゃあ、次どこ行こうか？」
私の要望に沿ってくれる祥彰君。
これほどまでに完璧な恋人なんて中々お目にかかれないのではないだろうか。
……否、そもそも私達は恋人ですらない。
祥彰君は所謂レンタル彼氏、午後三時までの今日限りの恋仲。
前の彼氏に捨てられてからというものの少々男性不信になっていた弱い私だったが、会社の同僚が口にしていたのをきっかけに“レンタル彼氏”なるものを調べてみたのだ。
デートにかかる代金は全て女性が負担する代わりに男性は彼氏に成りきる、ある意味割りきった関係。
最初はそれ位で丁度良かった。
冷たくされて傷ついた心を、恋人らしい振る舞いで誰かに癒して貰いたかっただけ。
彼を、山本祥彰君を選んだのも適当だった。
しかし、実際こうして今日を過ごしていると、あまりにも完璧過ぎて今にも惚れてしまいそうだった。
「あ、あれは噂の」
「えー、僕実はタピオカあんまり得意じゃないんだよねぇ……」
「まぁかなり独特だもんねぇー。私もそんなに好きじゃないや」
何故だか、もう本当の彼氏はいいやとレンタルにしたのに、また逆に恋に堕ちそうになっている自分がいる。
そう意識してしまうと、デートも純粋には楽しめなくなった。
レンタル終了まで、あと二時間
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杠-ゆずりは-@発狂同盟 - 山さん» あっ、迷走してらしてるんですね…私は、最後にきっぱり片付ける文(？？？)というものが好きでして…w特にfkrさんの誘拐(？)の話みたいな終わりかたが好きなんです〜あっ、ご丁寧にどうも…此方こそお世話になります(？) (2019年10月8日 21時) (
レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
山(プロフ) - 杠-ゆずりは-@発狂同盟さん» 了解しました。とても素敵なシチュ……おみそれしました(謎) 個人的に完結方法に迷走する中、そう言って頂けると大変自信に繋がります。どうぞ続編でもご贔屓に(??) (2019年10月8日 21時) (レス) id: c5ddeb2343 (このIDを非表示/違反報告)
杠-ゆずりは-@発狂同盟 - 山さん» いや、まぁ…全部好きです((((尊いことに変わりはないのでおっけーです(((り、リクエスト…！私はkwkmさんが大好きなので、夢主ちゃんが振られたあとに慰めて付き合う…的な…？(語彙力なくてすみません)のがみたいです！検討していただけたら幸いです…！ (2019年10月8日 21時) (レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
山(プロフ) - やまうみ。さん» 了解致しました。区切り上続編でのご提供となりますのでご了承下さい。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: c5ddeb2343 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - 先程はありがとうございました(土下座) 浅紅に嵌まれ大好きです。山様のガチ勢ですのでリクエストします(？) どこか儚く消え行きそうな夢主ちゃんをymmtさんが好きになるお話が見たいです。エンドは恋に落ちるところでも結ばれるところでも。シチュはお任せします。 (2019年10月7日 21時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
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