Trial Lover 〜お気に召しました？〜１

記念品 ページ10

ショップにはたくさんの商品が並んでいて




「見てるとあれこれ欲しくなっちゃうな」




マサイと手を繋ぎながら商品を見て回る




「俺トイレ行ってくるわ」




そう言ってマサイは手を離し




Aはコーナーを周りながら買うものを選んでいく



「ただいま」
　
　
　
マサイは戻ってくるとまた手を繋ぐ




「無理に繋がなくても大丈夫だよ？」




無理してるんじゃないかと気になるA




「無理してねぇよ。気にするな」




買う物が決まりAは1人レジへと向かう




会計も終わり入口で待つマサイに駆け寄る




「おまたせ。いっぱい買っちゃったよ」




「じゃあ行こうか」



２人は車に向かい




駐車場を出るとマサイはAの家の方角を目指す




「なんかデートって感じだったね」



Aは嬉しそうに話す




「そうだな。楽しかった？」




「勿論。マサイは？」


　

「俺も楽しかった」




あれこれおしゃべりをしていると気付けば自宅の近くで




Aのマンションの前に車を停める




「急だったのに水族館に連れてってくれてありがとう。すっごい楽しかったよ」



幸せそうなAの笑みにマサイも自然と笑顔が増す



「俺も楽しかった。A、これやるよ」



マサイはポケットから取りだした物をAへと渡す



「···カワウソだ」



手のひらサイズのカワウソのぬいぐるみ



いつ買ったの·····？



Aはふと、マサイがトイレに行くと離れた事を思い出す



「トイレ行くフリしてこれ買ってたの？」



「うん、ちなみにそれお揃いだぞ」



マサイはもう片方のポケットに隠していたぬいぐるみを手に持ちAに見せる




「このカワウソ、夫婦らしくて。２つでセットになってたからさ。Aのはオスで俺のはメス。淋しくなったら俺の代わりに抱き締める用に買っといたから」




いたずらっぽく笑うマサイ




「これ··マサイからの初めてのプレゼントだから大事にするね。マサイもそのメスのカワウソ、私だと思って大事にしてね？淋しくなったら抱き締めてもいいよ」




Aがニヤニヤと笑う




「俺はぬいぐるみを抱く趣味はねぇよ。枕元にでも飾っとくかな。じゃあ帰るよ。また家着いたらLINEするから」




「うん、送ってくれてありがとう。··マサイ、大好きだよ」




不意打ちな言葉にマサイがむせる




「その不意打ちやめろ!!恥ずかしくなる」



苦笑いしながらマサイは車を走らせ帰っていった

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