Trial Lover 〜お気に召しました？〜１

狂った歯車 ページ47

夏希の言葉にマサイは黙り込み




「私じゃ駄目ですか？私ならいつでも綺麗に着飾って、マサイさんが一緒に居て恥ずかしくない自慢できる彼女になれる自信ありますよ？」




もうこれ以上聞いていたくない




Aはその場を離れようとした




すると




何も言わないマサイに夏希はキスをする





突然の事過ぎて頭が追いつかない





マサイは夏希が離れるのと同時に口を拭った




「何してんだよ!!」




「私の気持ちわかって欲しいから。ずっと前から片想いして。やっと会えたんです。マサイさんが大好きなんです」




そう言って泣き出す夏希




もう無理だ。




これ以上見てたら自分が壊れる




Aはフラフラと歩き出し




席へ戻ると鞄を持ちシルク達に体調が悪いと告げマサイに見つからないよう店を出た




マサイは悪くないって。頭ではわかってても先程の場面が頭にこびりついて




少し進んだ路地裏に座り込み溢れてくる涙を拭う




「おい」




頭上から聞こえる声




顔をあげるとタケルが覗き込んでいる




「何してんだよこんな所で」




フラつきながら店を出るAを見かけたタケル

　


なんとなく気になり追いかけてみると路地裏で泣き出すAを見て





「何でもないから」




Aは立ち上がるとタケルの横を通り抜ける




タケルはその腕を掴みAを止めた




「お前の泣き顔初めて見たわ」




タケルの知らない所でたくさん泣いたあの頃




知らなくて当然だ。泣き顔を見せないようにしていたのだから




「離してくれる？もうタケルくんとは関わりたくないの」




そう言ってもタケルは腕を離そうとせず




「今日、昼間に会った時も思ったけど綺麗になったな。今の姿もあの頃とは雰囲気全然違うし」





そう言ってタケルは手を伸ばしAの髪の毛に触れる




「やめて」




Aはタケルの手を跳ね除ける




マサイ以外に触れられたくない




「なんだよその態度は。俺、一応元カレなんだけど？」




タケルは鼻で笑う




「このネックレス···Aが自分で買うとは思えねぇな。男から貰ったのか？」




プレゼントされたネックレスを手に取るタケル




「触らないで!!」




「図星かよ。どんな男？」




タケルはネックレスから手を離しAへと問いかける

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