Trial Lover 〜お気に召しました？〜１

センサー故障 ページ36

やっぱり脳内の美人センサー壊れたのかな·····




ぴくりとも反応せず




「そうなんだ、ありがとう」




当たり障りのない受け答えをする





「じゃあ赤チームはムカデ競争の練習から始めるぞー」




シルクが指揮を取り人数ごとに分かれる





夏希はマサイの側から相変わらず離れず





「マサイさん、一緒にやりましょ」




夏希はそういうとマサイと自分の足を縛り始め




「あ、うん·····」




５人ずつで練習を開始する




横を見るとAがモトキとシルクに挟まれ練習していた




「シルク、押さないでよ〜先頭のモトキに合わせなきゃ」




シルクが早すぎてAが押され




モトキに抱き着く形で倒れた




·····密着し過ぎじゃね？




いやムカデ競争だし足が繋がってる分、倒れたらくっつくのは仕方ないよな···




「モトキ、女子に背中から抱き着かれるとか先頭の役得だな。たくさん密着しとけよ〜」





「その不純な考えシルクらしいよね。A、大丈夫？痛くない？」




苦笑いしながらモトキはAを気遣う





「大丈夫だよ。ごめんね重かったよね」




上手く立てないAをシルクが軽々と持ち上げ体制を立て直す




··········。




なんだろ。メンバーとはいえAが、シルクやモトキに触られてるのを見るとなんかイライラする




「マサイさんどうしました？」




夏希が黙り込むマサイに話しかける





「いや、別に·····」




練習に集中しなきゃな




マサイのチームも進み出し




時折倒れ転んでしまう




背中に倒れる夏希の妙に馴れ馴れしい触り方がマサイには癇に障り



終始無言のまま練習は終わり次の競技の練習へと移る




綱引きや玉入れなど次々と練習は進み




「一旦昼休憩しますよ〜。お弁当用意してあるので各自持ってって下さいね〜」





事務所から支給されたお弁当を取りに向かう面々





仲の良い同士で固まり体育館の中で昼休憩を取る





夏希から離れAの元へ行くマサイ




「ムカデ競争の時、大丈夫だったか？怪我してない？」




「大丈夫。むしろモトキの方が重かっただろうし大変だったと思うよ」




「Aは小さいし軽かったから俺は大丈夫だよ。」




「モトキは密着出来て得してたんだからむしろラッキーだろ」




シルクがそう言うとンダホやザカオも笑いだし





俺は笑えねぇーけどな·····。




マサイはそのやり取りを静観していた

あの表情の意味→←カワウソの片割れ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す