Trial Lover 〜お気に召しました？〜１

昔語り ページ18

「なんか顔怖いよ。近いし」




「気にするな。で、どんな男だったの？いつ付き合ってた？」




警察に尋問されてる気分




「何で聞きたがるのよ。昔の話だよ？ずっとマサイが好きだったから最近の話じゃないし···」




「·····友人としてAの事はなんでも知ってると自負してる俺が知らない事があるとか嫌」




マサイは腕を組み詰め寄り




答えるまで帰れま１０状態なA




諦めて話し出す




「···事務所に所属してすぐの頃だよ。付き合ってたのは３ヶ月位かな。」




「···もしかして俺の知ってる人？」




「·····うん」




うちのメンバーではないだろう




そんな話聞いた事ないしな。




「·····誰？」




更に詰め寄るマサイ




「だから近いって。相手は誰でもいいでしょ。今は別れてるんだし」





「いーや。聞くぞ？俺は知る権利がある。何故なら彼氏だから」




ドヤ顔で尋問してくるマサイ

　


私に負けず劣らずしつこい奴だって事、忘れてた




溜息を付くとAは答える




「·····タケルくんだよ」




その言葉にマサイは驚いた顔をしている




私達と同じく同期YouTuberのタケル




勿論マサイも知っている




同期と付き合ってたって聞いたら驚くよね




「···嘘だろ？」




ほらね、そうなるよね。




「あいつ、めちゃくちゃイケメンじゃん。女の子はよりどりみどりだろうに···なんでAと付き合ったんだろ···不思議」




驚く所そこかーい。




「反応する所そこ？ねぇ、言葉のナイフがグサグサ刺さってるんだけど？」




Aの反応にゲラゲラ笑うマサイ




「悪かったって。いや意外だったからさ」




「もっと意外な事教えてあげようか？告白してきたのタケルくんからだよ」




そう言うと動揺が隠しきれないマサイ




「···美人ばかり相手にすると飽きるのか。たまには違う方向性に行きたくなったんだな」





「マサイ·····もう嫌い」




ふくれっ面のAを見てまたゲラゲラ笑う




「悪い悪い。つい、からかいたくなっちゃって。怒るなよ。Aは確かに美人さんではないけど···可愛いと思うぞ。愛嬌あるし」





「好きな子に意地悪する小学生か。···という事はやっぱりマサイは私に惚れて···素直になれないんだな」



頷き勝手に自己完結するA




「わーぉ。本当ポジティブ〜。そういう所、好きだから良いけど」

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