Trial Lover 〜お気に召しました？〜１

カカリー憑ー ページ15

「そういえばまだシルクの映画観てないんだけど」




シルクが制作した映画、カカリー憑ーが先日YouTubeにアップされていて




1人だと怖いけどマサイと２人なら観れそうだし




「俺もまだ観れてないけど·····観るの？」




乗り気じゃなさそうなマサイ




「·····もしかして···怖くて観れてないとか？」




Aの視線に




「怖くねぇし!!観れるし!!大丈夫だし!!」





マサイは強気で言い返す





絶対怖くて観れてないな·····。




「じゃあ、観ようか(ニッコリ)」




微笑むAにマサイは引き攣った笑顔で頷いた

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「なぁ····部屋を暗くする必要あるのか？」



再生の準備も整い



TV画面にはカカリー憑ーの動画がスタンバイしている



ソファーに並んで座るマサイとA




お菓子、飲み物全て用意した




雰囲気がお家デートっぽくていいなぁ···ふふ。

　


そんな能天気なAとは違いマサイは暗い部屋を見渡し落ち着きがない




「ホラー映画は暗い部屋で観るのが定番でしょ」




「いや、暗過ぎるでしょうよ。暗い所で動画見ると目が悪くなるんだぞ？」




「·····やっぱ怖いんじゃん」




「怖くねぇっつーの!!ビビってねぇし」




明らかに怯えるマサイに笑いを堪えながらAは動画を再生する




冒頭、シルクが会議室で打ち合わせする映像が流れ





シルクが連れ出され移動し廃墟のシーンへと移る





横目にマサイを見ると微動だにせず画面を見ている




過去のフィッシャーズの心霊動画が織り込まれながら物語は進み




本編パートへと移行する




部屋のシーンで幽霊が出現し大きな音が響く




-ビクッ!!!!-




びっくりした·····心臓に悪いわ!!




-ぎゅっ-




隣を見るとマサイがAの手を握っていて




今にも泣きそうな顔をしている




次々に画面に映る幽霊

　


これ怖すぎる·····




マサイをからかうつもりがAまでビビり始め




そっとマサイの腕を掴む





マサイもAを抱き締めるようにくっ付き





ラストシーンでの映像に２人は気を失う寸前だった




動画が終わったが２人は抱き締めあったままで




「マサイ···からかってごめん。怖すぎた。これは暗い部屋で観たら駄目だわ」




「だから電気点けようって言っただろ!!」



半分キレ気味のマサイ

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