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片時も忘れられぬ ページ3

「マサイくんから連絡あったわよ」



リビングに戻ってきたAに母はそう告げ



「···ここには居ないって言ってくれた?」



椅子に座り俯きながら話すA



「居ないって言ったらマサイくんの事だから捜索願いも出しかねないと思って居るのは話した。ただ会うのは無理だと伝えといたからね」



「そう·····」



溜息をつくAに



「一体何があったの?···マサイくんは自分のせいだって言ってたけど···まさか浮気?」



あのマサイに限って···Aの母はそう思ったが嫌な考えが頭を過り




「それはない···今は言いたくない」



何も考えたくないんだ



大好きなマサイを自分で遠ざけておいて



耐えきれそうにない弱い自分に嫌気がさして



何をしていてもマサイの事ばかり頭に浮かび



「落ち着いてからで良いから話して。お父さんも口には出さないけど心配してるんだから」



突然帰って来たAに父は何も言わずただ迎え入れてくれた



「···うん」



Aはそう言うと昔自分が使っていた部屋に入り明かりを点ける



マサイからの電話やLINEは来続けていて



マナーモードにしたスマホを傍らに置きベッドに横になる



今頃マサイはどんな気持ちでいるのだろう



永遠を誓い合った指輪が失くなった薬指をなぞり



会いたいよマサイ···



これがマサイの為だと言い聞かせても



苦しいんだよ



このまま離れて



いつかマサイが私以外の誰かを愛する



そんな未来を一方的に押し付けた癖に



その未来が来るかと思うと気が狂いそうで



幸せにしてあげる約束···守れなかったな



Aは流れる涙をそのままに



脳裏に浮かぶマサイの笑った顔を思い出しては痛む胸を押さえた



これで良かったんだよね?



自分にそう問いかけるが正解かなんて分かる訳もなく



スマホのアルバムを開く



子どもの事で上手く行かなくなってからは2人で写真を撮る機会も減り



過去の画像を眺めていた



この頃に戻れたら···そんな事を考えてしまう自分は未練たらしく



時間が忘れさせてくれる



そう信じてAはスマホをそっと閉じた

此れが私の目を開けて見る夢→←同じ空を見上げて



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JADE(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございます😊更新停滞気味ですが必ず完結はさせますので宜しくお願いします☺️✨ (8月29日 0時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 神作と言っても過言ではないくらいとても良かったです (8月28日 1時) (レス) @page16 id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - よるさん» ありがとうございます☺️多忙過ぎて更新が止まっておりますが頑張ります😱 (2023年4月15日 10時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - コメント失礼します!いつも楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください!! (2023年4月13日 18時) (レス) id: 1c4d9bd2ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:JADE | 作成日時:2023年2月24日 0時

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