知らなかったの? ページ7
Aはバッグを確認した後にもう一つの袋を開けた
「マサイらしい···」
中にはAが好きなスイーツや飲み物がいくつも入っていて
「お母さん達にも持って来てくれたのよ。いつも気を使わなくて良いって言ってるのに。律儀な子だね本当」
母の言葉に
「いつもって···そんなしょっちゅうじゃないんだから良いじゃない。マサイもたまにしか会えないから差し入れしたんでしょ」
「何言ってるの。マサイくんたまに家に来て挨拶がてら色々差し入れしてくれてたわよ。知らなかったの?知ってると思ってたから特に話さなかったけど」
母の言葉にAは驚き
「知らない···どういう事?」
「撮影で近くに居る時とかは必ず寄ってくわよ。普段中々会えないから顔を見に来たって。娘はたまにしか帰って来ないのにマサイくんはAより家に顔を出してるんだから。普通逆よね」
そう言って笑う母
「お父さんが居る時はマサイくんも忙しいだろうに上がってお父さんと話してた。2人の話はいつもAの事ばかりで。モトキくんって子に料理を習ってる話や、ディズニーランドに言った話とか。動画で2人の事を公開する時もわざわざ私達に前もって伝えて許可を取りに来てた。私達の許可なんていいのにね」
知らなかったマサイの行動にAはただ驚き
「本当に良い子と結婚したんだねっていつもお父さんと話してた。Aと結婚したんだから私達も自分の両親と同じ位大切にしたいんですって。いつも気にかけてくれてた。Aが出て行ってお父さんと2人で淋しいって思ってたけどマサイくんがたまに顔を出してくれてたから淋しさも紛れてたよ」
幸せにしてあげるなんて言っておいて
自分の方が幸せにしてもらっていたと実感した
頬を伝う涙を母は黙って拭い
「マサイくんと何があったの?話してごらん」
Aは堰を切ったように話し始めた
子どもが出来ない事
そのせいで関係が拗れてしまった事
マサイを幸せにしてあげれなかった事
そして離婚届を置いて逃げてきた事を
「マサイを解放してあげたい。大好きだから···マサイには幸せになって欲しい」
涙を拭い話すA
母は黙ってAの話を聞いていたが
「···それで本当にマサイくんは幸せになると···本気で思ってる?」
母の言葉に
「幸せになって欲しいから手放すの」
Aは力無くそう答えた
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JADE(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございます😊更新停滞気味ですが必ず完結はさせますので宜しくお願いします☺️✨ (8月29日 0時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 神作と言っても過言ではないくらいとても良かったです (8月28日 1時) (レス) @page16 id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - よるさん» ありがとうございます☺️多忙過ぎて更新が止まっておりますが頑張ります😱 (2023年4月15日 10時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - コメント失礼します!いつも楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください!! (2023年4月13日 18時) (レス) id: 1c4d9bd2ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:JADE | 作成日時:2023年2月24日 0時