拗らせ魔王の取扱説明書５ (ページ15)

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側にはあなたがいるページ15

朱里との通話を切り安堵の表情を見せるA

「これから大変な事もあると思うけど家族３人仲良く過ごせるといいよね」

モトキの肩に頭を乗せ目を閉じる

「そうだね。きっと大丈夫さ。Aがここまで頑張ったんだし俺達も喧嘩したんだ、仲良く暮らしてもらわないと困る」

苦笑いを浮かべるモトキにAも笑い出し

「Aはお義母さんとの連絡はどう？」

「うん、毎日じゃないけどLINEしてるよ」

あれからも関係修復は続き

無理のない範囲でお互い歩み寄り関係は前より良くなっていた

「ただね、前は決まった時間っていうのかな？朝仕事に行く前や帰宅してから返信が来てたんだけど最近LINEが来る時間がバラバラで。仕事が休みなのか聞いたけど仕事してるって言うし。ちょっと変だなぁって」

「そっか。暫くお義母さんに会ってないでしょ？近い内に会ってきたら？今度は俺も行こうかな···そろそろきちんとご挨拶したいしさ」

その言葉はモトキが未来を見据えてAと付き合っているという強い決意を感じる言葉で

「···分かった。じゃあ次にモトキと私の休みが同じ日に一緒に会いに行こうよ」

「そうだね。·····なんか緊張する」

胸を押さえ真顔になるモトキにAは笑い出し

「なんで緊張するのよ。結婚の申し込みじゃあるまいし」

クスクスと笑うAに

「そうだけど···でも追々そうするつもりだけど？結婚するならAしかいないって思ってるし」

そう切り返したモトキ

「··········」

「顔真っ赤だよ」

オーバヒート寸前のAを見てからかうような目線で覗き込むモトキをAは押し退け

「人の感情ゲージで遊ばないでと何度言えば分かるかな···」

「ごめんごめん。面白くってつい」

モトキに背を向け顔を隠すA

そんな風に拗ねるAを愛おしそうに見つめ

背中からAを抱きしめたモトキ

「ごめんね。····A、大好きだよ」

そう囁いた

「·····それ反則」

「こうするとすぐ機嫌治るでしょ？俺もAの取り扱い方にかけてはエキスパートだから」

「お互いの取扱説明書が頭に入ってるからね。でもそれ反則だから」

顔を見合わせ笑い合う2人

恋をする事すら分かっていなかった

愛し愛される喜びも知らなかった

愛を知らなかったから

でも今は違う

側にはあなたがいる

この幸せがいつまでも続くよう

Aはそっと願った·····