愛してんのになんで痛い ページ46
「お疲れ····悪い遅くなった」
「まだみんな揃ってないから適当に始めてるよ」
ザカオとシルクがPCとにらめっこしながら編集を進めていて
「マサイさん待ってました、ちょっと直して欲しい所が···」
スタッフのPCを調べ不具合を直すマサイ
直ったかを見る為適当に動画を流す
「これで大丈夫」
「めちゃめちゃ助かりました」
マサイは動画を止めるとふと１つの動画が目に入り
「これ何？」
「去年の夏、撮影の合間に撮ったやつですよ。見ても構いませんよ」
マサイは動画を再生し
画面の中には海の撮影でメンバーが休憩中スタッフ達が海で遊んでいる姿が映っていた
「シルクさんが事前にスケジュールに時間作ってくれて。みんなで遊んでいいって言ってくれたので」
水着ではしゃぐスタッフ達の中には岸や優奈の姿
そしてAの姿も映っていた
「この動画、後で俺のPCに送っといてくれるか？」
「良いですよ。送っておきます」
そんなやり取りを見ていたシルク
「水着姿を不純な動機で観るなよ？」
小声で話すシルクに
「違うわ。この頃のAは殆ど会話した事なかったから···どんな感じだったか観てみたいだけ」
マサイも小声で返す
黙々と編集を進め解散し自宅に戻るとマサイはメールで届いた動画を再生する
「はしゃいでるな···」
画面越しのAに思わず笑みが溢れ
他のスタッフの女の子と腕を組んだ姿がズームされ水着姿でカメラに笑顔を見せるA
カメラが別のスタッフを映した所でマサイは動画を少し戻す
停止ボタンを押し停まった画面を凝視するマサイ
呼吸をするのを忘れたかのように止まったまま
どれ位の時間そうしていたのか
マサイは目を閉じ深い溜息を吐いた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日マサイの部屋に書類を届けに来たA
「お疲れ様です···何かありました？顔が死んでますよ？」
「····あんまり寝てないだけ」
疲れた顔のマサイ
「クマ出来てますし···よく分かりませんがちゃんと寝て下さいね」
そう言って書類を渡し
「今日さ···Aの家に行ってもいいか？」
「···突然どうしました？」
いつもと雰囲気の違うマサイ
「···駄目ならいい」
「駄目じゃないですけど····じゃあ19時頃帰宅するのでその頃来てください」
どこか様子がおかしいマサイに不安になりながらAはマサイの部屋を後にした
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作者名：JADE | 作成日時：2023年1月16日 22時
