生き甲斐 ページ44
「明日は何時に駅に着くんだ?」
「言いませ··「何時に駅に着くんだ?」
被せ気味に圧をかけるマサイ
迎えに来て化けた姿をからかう気だなこの人
「本当大丈夫です。タクシー使うんで」
マサイはニッコリと笑い
「もう一回俺に言わせる気?」
「言いません。化けた姿からかう気満々ですもん。絶対に見せませんから。嫌です」
断固拒否の姿勢を崩さないAに
「···明日は昼過ぎから駅前に張り込むか···編集忙しいんだけどな。撮影も遅れちまうかも·····でも仕方ねぇよな」
「しつこい男はモテませんよ」
「···本当可愛くねぇ···良いだろ、減るもんじゃねぇんだから見せろよ」
堂々と開き直るマサイ
「絶対嫌です」
そんなやり取りをしてる内にAの家に着き
「今日はすみませんでした。じゃあまた」
降りようとするAの腕を掴み
「待て、話は終わってねぇぞ」
マサイのしつこさにAが折れ
「もう···21:30位に駅に着きますよ···本当に私をからかうのを生き甲斐にするの止めてもらえます?」
「からかわねえって。化けた姿を見てみたいだけだし。じゃあな」
そう言ってあっさりと手を離し
走り去る車を見送った
絶対私をからかうのを生き甲斐にしてるよ
今日の出来事を思い出し気分は落ち込んでいたが気持ちを切り替えたAはマンションへと帰って行った
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翌日の夜
「····黙り込むの止めてもらえませんかね?」
駅に着いたAがマサイの車に乗り込み
「····化けたな」
髪型やメイク、ドレス姿も全部見慣れないAで
「もうそんな見なくて良いですから」
恥ずかしがるAが可愛くて仕方ない様子のマサイ
「照れんなよ···本当に凄く綺麗だぞ」
その言葉にAは固まり
「···マサイさん、お酒飲んでます?」
「飲酒運転する訳ねぇだろ。シラフだわ」
「褒められると凄く変な気分になるんでいつも通りからかってください。本当びっくりするんで」
動揺するAが面白いのか笑い出すマサイ
「褒めてんだから素直に喜べ。で、イケメンはGET出来たか?」
車を走らせながら気になっていた事を聞く
「もう大漁ですよ大漁」
「···言ってて虚しくならねぇ?」
憐れむ様なマサイの視線にAは笑い
「凄く虚しいですね。何人連絡先をGETしたかは···内緒にしときます」
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作者名:JADE | 作成日時:2023年1月16日 22時