運命って奴は裏切る事が大好きで ページ32
「マッチングアプリとか合コンとかどんな奴かもわかんねぇんだから駄目だっつーの」
Aの発言に難色を示しNGを出す
「合コンの時も駄目って言われましたけど···私の人生がかかってるんで。マサイさんは彼氏じゃないんですから駄目って言う権利ありませんよ」
言い返すAに
「だから俺がもらってやろうかって言っただろ。Aは全くモテないんだから。可哀想だし」
冗談でもドキドキするから止めて欲しいんだけど
「好みのイケメンじゃないと何度言えば···私の好みはシルクさんなので。シルクさんなら即OKしますよ」
動揺を隠そうと思ってもいない言葉が出てくる
そう言うとマサイは一瞬淋しそうな顔をさせたと思うとすぐにいつもの表情に戻り
「知ってるわ」
一言そう返した
何で黙り込むのか
数秒の沈黙の後、マサイは微笑み
別の話題を話し始めた
あの沈黙の間は何だったんだろう?
2人は食事を終え外に出る
「今日はご馳走様でした。主役に奢らせるとか本当色々すみません」
駐車場まで歩きながら話す2人
「誘ったの俺だから。ありがとう。今日付き合ってくれて。楽しい誕生日だったよ」
「私も楽しかったです。岸くんとの事で落ち込んでたので良い気分転換になりました」
全てを話し彼を傷付けてしまった罪悪感が拭えず
彼もまた優奈との事で罪悪感を抱えている
事務所で会ってもまだ気軽に話せるような雰囲気ではなく
優奈、秋人、自分の3人がギスギスした関係になっているのに周りも気付き始めていた
「···岸とやり直そうとか考えてるのか?」
「それはないですね···お互い罪悪感は消せませんから」
少し酔ったせいか本音を口にしてしまう
「何があったんだ?···俺には話したくないか?」
Aは深呼吸をすると
「···秋人を愛せませんでした。努力はしたんですけど···それが彼を不安にさせてしまって、色々あって···別れたくないって言ってくれたけど··お互い罪悪感を抱えたままやり直しても上手くいく訳ないですからね。彼も納得して受け入れてくれたんで」
岸を秋人と呼ぶAを見てマサイは複雑な表情で
付き合ってたのだから名前で呼ぶのは当たり前なのに
分かっていても、秋人と名を呼び自分の知らない時間を過ごしていたAと岸に嫉妬は深まり
「いつか心から愛せる人と出会えるだろ。今はその時じゃなかったって事だな」
マサイはそう呟き励ました
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作者名:JADE | 作成日時:2023年1月16日 22時