真相は闇の中 ページ30
「久しぶり。今日はよく食べる奴を連れてきたから売上に貢献出来るぞ」
面白そうに笑うマサイにAも
「お店の食材なくなっちゃうかもですね」
そう言って笑った
「···お連れさんは彼女？」
友人の言葉にマサイは
「違うよ。うちのスタッフの子」
Aは会釈をして挨拶をした
「彼女がいないマサイさんが誕生日に１人だって言うので付き合ってあげてるんです」
「その通り過ぎて言い返せねぇ···代わりに好きなだけ食わせるんだからいいだろ。バイト代だと思え」
２人のやり取りに友人は笑い出し
「仲が良いのは伝わったよ。オススメメニューもたくさんあるので今日は楽しんで行ってくださいね」
Aにそう笑いかけ厨房へと戻って行く
「お友達さん···タイプの違うイケメンですね。類は友を呼ぶとはこう言う事なのかな」
「何····好みのイケメンなのか？イケメンばっか探して生きてんのか？軽い女だな」
そう言ってからかうマサイ
「ただ言っただけなのに人を尻軽扱いするのやめてもらえますか？見てただけでしょうが」
メニューとにらめっこしながらブツブツと文句を言うAを見つめ
「お酒も飲んでいいぞ。ちゃんと送ってやるから」
「いや、主役が飲まないのにそれは···烏龍茶でいいです」
遠慮するAに
「見ろこの品揃え。飲んだ事のないワインとかもたくさんあるし、よりどりみどりだぞ。少しだけでも良いから遠慮せず飲めよ」
「じゃあ最初だけワインを···主役を差し置いて本当すみません」
「プレゼントも貰ったし食事に付き合ってもらってるからな。今日は甘やかしてやる事にしたんだ」
２人でメニューを決め料理の到着を待つ間マサイは先程の話を切り出した
「·····で、なんで急に別れたんだ？」
「色々複雑でして···」
説明出来る訳ないじゃない
マサイさんが忘れられなくて上手くいかなかったなんて
それに秋人と優奈の話も口が裂けても言える訳がなく
元カノがそんな事をしてたなんてこの間の仕事の件でも傷付けたのかも知れないと思うと到底口には出せず
「その色々を説明しろよ。気になるだろうが」
「うーん···無理ですね。プライバシーに関わる事なので」
「何だよそれ···フラれたから隠してんのか？なら心配すんなよ。どうせフラれると解ってたから」
面白そうにからかうマサイ
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作者名：JADE | 作成日時：2023年1月16日 22時
