馬鹿げた当てつけ ページ22
「そっか···。隠してたけどやっぱりいつかはバレるよね」
苦笑いを浮かべ話す
「別に吹聴しないから安心して。必要ならみんなに否定しとくよ。違ってたみたいだよって。Aさんには迷惑かけたからせめてそれくらいさせて」
優奈の申し出に岸は少し驚き
「ありがとう。気持ちだけ受け取っておくよ。いつかは分かる事だしバレたなら仕方ないよ。仕事に影響は出さないようにしてるからさ」
そう答えた
こんな気遣いを自由奔放なイメージの優奈がした事に正直驚いていた
「そうなんだ。···あのさ岸くん。仕事の事でちょっと相談があるんだけど···時間作ってもらえないかな？誰にも相談出来なくて···」
「俺で良ければ。この後の休憩で話し聞こうか？」
「出来たら仕事の後に２人で会えない？みんなに聞かれたりしたら困る内容だから」
他の女性と２人で会う···
彼女が居るのにそれは···そう思ったがAがどこか嬉しそうにマサイとの食事に行く話をしていた光景を思い出した
「·····いいよ。何時が良い？」
「今日とか駄目かな？Aさんとデートの予定ある？」
優奈の質問に
「いや、今日Aと会う予定は特に決めてないから···じゃあまた後で何処で待ち合わせるとか決めたらLINEするよ」
そう言って２人は離れ
Aへの当てつけみたいだよな、これじゃあ···
秋人は浮かない顔のまま仕事に戻っていった
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その夜Aは部屋で動画を観ながら寛いでいた
-♪♪♪-
「お疲れ様です」
「お疲れ。···何してた？」
「動画観てました。観たかった海外ドラマを一気に観てるんですよ。残業続きで全然観れなかったので」
苦笑いしながら話すAに
「今日はデートもねぇのか。淋しい奴だな」
電話を再開してから殆ど聞いてこなかった秋人との事をここ数日マサイはやけに聞いてきて
不思議に思いながらもAは答える
「たまたまですよ。って言ってもそんなしょっちゅう会ってませんけどね」
いつもなら秋人から連絡があるが今日は特になく
Aは１人の時間を満喫していた
「まぁフラれないように頑張れよ」
「私には振られるしか選択肢ないんですか？私が振る選択肢だってあるでしょうに」
抗議するAにマサイは笑い出し
「悪い。モテないイメージしかねぇからつい」
「もうそれただの悪口ですね」
そう言って笑うA
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作者名：JADE | 作成日時：2023年1月16日 22時
