あなたを愛しています ページ12
Aはふと目を開き
視界に入る日差しに目を逸らす
···明るくなってる
視線を下にずらせばソファーに持たれAの膝に頭を乗せるようにマサイが眠っていた
寝てる所を起こされたんだもの
マサイさんも眠かったよね···
申し訳ない気持ちがまた込み上げ
マサイを起こさないようゆっくりと上半身を起こし
自分の膝に持たれ眠るマサイを見つめる
マサイさん···あなたを忘れようと努力したんです
なのにこの気持ちは日に日に増して
そっと手を伸ばし眠るマサイの頭を撫でる
触れるだけで涙は流れ
···あなたを愛しています
心の中でそう呟いた
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頭を撫でられる感触にマサイは目が覚め
目を瞑ったまま考えていた
ソファーに持たれ眠ったまでは覚えている
左の頬に感じる感触はAに持たれ眠っていた事を表していて
そして····なんで俺はAに頭を撫でられているのか
眠ったフリをしたままマサイは考え込み
時折Aの鼻を啜る音が聞こえ、Aが自分の頭を撫でながら泣いていると気付いた
寝てるフリをすべきか気付かないフリをすべきか
マサイは悩み
「·····おい、俺はチクワじゃねぇぞ」
マサイの声に驚いたAは慌てて手を離し
「···ごめんなさい。チクワと間違えました」
「犬と人間を間違えるんじゃねぇよ。つーかセクハラだぞ」
マサイはあえて茶化し
「はは···ですよね。···てゆうか、セクハラって言うならマサイさん退いてくださいよ。これこそセクハラですよ」
目元を拭い何もなかったように話すA
「朝まで付き合わせたんだからこれくらい許せ。ケチだな。減るもんじゃねぇだろ」
マサイは起き上がりAから離れる
あえてふざけて
Aの理由の分からない行動に言及はしなかった
Aはマサイは自分が寝ぼけてたと思っている
そう思うようにした
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「着替えたら送ってくから」
「はい。服もありがとうございました。洗濯して返すので」
「そんなのいいから。脱いだらそこに置いといて」
Aは別室で着替えマサイと駐車場へ向かった
送る車の中で
「落ち着いたか?」
「はい。一緒に居てくれてありがとうございました」
思い出せばまだ恐怖はある
でも今はマサイが隣りにいる
それだけで気持ちは落ち着いていた
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作者名:JADE | 作成日時:2023年1月16日 22時