罪を貪る ページ28
「謝る資格もないのは分かってる。でも謝らないのも違うと思うから。····本当にごめんなさい。普通の子ども時代を送らせてあげれなくて」
母の謝罪に
「今更だよ。もう何もかも遅い」
そう返した
「分かってる。どれだけ大事だったと言っても、会いたかったと伝えても、許される訳ないって。今はこうして会ってくれて···生きてると分かっただけで充分。会って欲しかった理由は一言だけでもいいから謝りたかったのと···これを渡したかったから」
母の手にはA名義の通帳と印鑑
「毎月ちょっとずつ貯めて···いつか会えたら渡そうと思ってた。親らしい事を出来なかったからせめてのも罪滅ぼしに···」
Aはそれを見つめ
「いらない···」
「そう言うと思ったよ。仕方ないって分かってる」
机に通帳を置き
「あと、もう１つ伝えたい事があるの」
母は間を置き話し出す
「出て行った時に一緒に居た人とあの後結婚して···子どもが産まれた。あなたの弟。今は中学生だよ」
Aの目が開き驚いた表情になった
「その男性とは２年前に離婚して···今は息子と２人で暮らしてる」
弟が居た事実にAは戸惑い
「そう···」
「夕方に帰ってくる。会ってく？」
「いや···会わなくていい」
自分と違い産まれた時から母の愛情を受けてきた弟に複雑な気持ちは拭えなくて
「もう···帰るよ」
「···えぇ。会ってくれてありがとう」
立ち上がり玄関先に向かうAに
「もう会ってはくれないだろうけど···もし少しでもお母さんが必要になる事があれば何でもするから、連絡して。」
そう告げると母親は紙袋をAへと渡す
「いらないなら捨てていいからね···」
紙袋を受け取り中を見る事もなくAは母を見る事もなく逃げるように母の家を後にした
愛してたと言われても今は受け入れれず
迎えに来ていた事実を知っても今更だと
知らなかった弟の存在はAの心を掻き乱し
感情が上手くまとまらなくて
流れる涙の意味は分からなかった
自宅に戻るとモトキが来ていて
母に会いに行ったAを待っていた
「·····お帰り」
いつもと変わらない笑顔で
手を広げAの前に立つ
黙ったままその腕に抱かれ
モトキは何も話さないAを黙って抱き締めて続けた
Aが少しでも安心出来るように優しく背中を撫で
「大丈夫···よく頑張ったね···」
そう呟いた
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JADE(プロフ) - みーさん» 変換ミスってましたー😭ご指摘ありがとうございます😭修正致しました🥰 (2023年1月21日 10時) (
レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 明里でしたっけ…？朱里じゃありませんでした？間違えてたらごめんなさい (2023年1月21日 10時) (レス) @page19 id: 676662ed47 (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます😊更新頑張ります〜🥰 (2023年1月14日 17時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - モトキの恋愛がさとうもかさんのmelt bittrって歌に合いすぎて聴きながら見てます🫶🏻更新楽しみにしてます❕頑張ってください💞 (2023年1月14日 16時) (レス) @page5 id: 8a523b4b5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JADE | 作成日時：2023年1月13日 0時
