愛されるという事もわからぬまま ページ20
手紙を捨てたあの日から不定期に手紙は届き続け
手元に届く度に捨てるA
「···あのさ、俺が言うべき事じゃないのは分かってるけど···一度だけ会ってみたら？」
過去の記憶に苦しむAを見るのが辛くて
「会ってどうしろと？何も変わらないでしょ？」
「手紙の話が本心なら謝られる事で区切りをつける事は出来るんじゃないか？謝罪を受けた上で迷惑だと思うなら関わらないと宣言すればいいし。手紙を読む限りはとにかく謝りたいって気持ちは伝わってくるよ」
モトキの言葉にAは少し考え
「·····やっぱり無理だよ。２度と会いたくないの。モトキだって朱里さんとそうだったでしょ？」
「朱里は他人だから···Aの場合は親だろ？話のレベルが全然違うよ」
そう反論するモトキに
「親だから許せって？全て水に流してまた敬えって言うの？子どもは親の所有物じゃないんだよ」
「そうとは言ってないだろ？ただこのままでいいのかって心配で···」
「勝手に産んで捨てといて···謝れば許されるなんてそんな都合のいい話ある訳ないじゃない」
苦々しい表情で憎悪を顕にするA
「勝手にって···お母さんもそんなつもりは···」
「捨てる位なら産まなきゃ良かったのに···産まれてきて良かったなんて····一度も思った事ないから」
そんな悲しい言葉を話すAにモトキは
「そんな言葉···言わないで。産まれてきてくれたから俺達だって出会えたんだから···それを否定しないで」
モトキはそう言いながら以前Aが言った言葉を思い出す
誕生日を聞いた時の事
「申し訳ないけどプレゼントは必要ないから。誕生日を祝おうとも思わないで欲しい。自分の誕生日をお祝いされるのは好きじゃないの」
理由が分からずAの拒絶するようなその言葉に悩みながらも従い、何もお祝いをしなかった
「とにかく、会わない。会いたくないの。無理強いはしないで」
モトキはAの意見を尊重し
「わかったよ。無理言ってごめん。もう意見はしないから。···ただ自分の存在を否定するような発言だけは２度としないで···悲しくなるから」
「·····わかった」
モトキはAを抱き締める
Aの心の痛みが少しでも楽になればと
大丈夫
魔法の言葉を繰り返し囁く
腕の中で泣くAの痛みがいつかなくなる
そんな日が来る事をモトキは願い続けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JADE(プロフ) - みーさん» 変換ミスってましたー😭ご指摘ありがとうございます😭修正致しました🥰 (2023年1月21日 10時) (
レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 明里でしたっけ…？朱里じゃありませんでした？間違えてたらごめんなさい (2023年1月21日 10時) (レス) @page19 id: 676662ed47 (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます😊更新頑張ります〜🥰 (2023年1月14日 17時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - モトキの恋愛がさとうもかさんのmelt bittrって歌に合いすぎて聴きながら見てます🫶🏻更新楽しみにしてます❕頑張ってください💞 (2023年1月14日 16時) (レス) @page5 id: 8a523b4b5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：JADE | 作成日時：2023年1月13日 0時
