帰らずの甘い日々 ページ9
体調を崩すようになったAは外ロケに行かず
家からも出ない生活を送っていた
シルクからは何度もLINEが来るが当たり障りのない返答をして
部屋に籠もり編集に没頭する
編集中の画面にはモトキの笑った顔が映し出され
でもその笑顔はどこか作られた偽の笑顔で
モニターに指を這わせ画面越しのモトキの頬を撫でる
会いたい
でも会えない
泣きたい
でも···泣けない
Aは初めてこの壊れた感情を呪った
心はもう限界で
このままここに居たら自分がもっと壊れてしまう
そんな気がした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「やっと来たな」
外に出なくなったAと久しぶりに会ったシルク
相変わらず顔色は悪くやつれた顔で
「話があるの」
シルクはAをソファーに座らせ自分も反対側に座るとAを見つめた
「···退職···したい。スタッフを辞めたい」
「···モトキの側にいるのが限界なのか？」
「··········」
何も言わずテーブルを見つめるA
「辞めるとして···このままモトキにも会わずに行くのか？」
シルクの言葉にAは
「そのつもり。もう会う必要もないから」
そう言って弱々しい笑みで微笑むA
「ここからは雇った側の意見じゃなく、友達として話すけど···辞めるなら最後にモトキと会え。言いたい事を全部話して来た方がいい。じゃなきゃ···踏ん切りがつかねぇんだろ？」
友達だからこその助言
「···今更何を言えばいい？子どもや朱里さんを捨てて私の所に来てって言うの？そんな事···言えないよ」
親に捨てられた自分だからこそ、それを助長するような言葉は口が裂けても言えない。言うつもりもない。
「自分の思ってる事を話すだけでもいいんじゃねぇか？言わなくて後悔するのだけはして欲しくないしな。いつまでも引き摺っちゃうからなそういうのは」
シルクの提案を聞き考え込む
「本音を言えば諦めたくないよ···ずっと隣に居たかった。でも···叶わないでしょ？言っても現実は変わらないから」
シルクは諦めた表情で語るAの姿にモトキの姿を重ねる
「なら踏ん切りつけて来い。どんな形でも諦めれるように最後に会って話せ。それはお互いの為にも。モトキも踏ん切りがついてないから···このままじゃモトキもいつか壊れちまう」
Aはその言葉を黙って聞いていた
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JADE(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます☺️更新頑張っていきます〜🥰 (2022年12月9日 6時) (
レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごくいい話で楽しみでしかたないです。 (2022年12月8日 23時) (レス) @page40 id: b1ddaf8c9c (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - みーさん» 楽しんで頂けて嬉しいです☺️ちまちま更新頑張ります😆 (2022年12月8日 3時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続きが気になりすぎて…。2人にとって良い結果になるように祈ってます😭 (2022年12月7日 21時) (レス) id: 034e810e2c (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - まみさん» コメントありがとうございます☺️楽しんで頂けて嬉しいです😆また更新頑張ってきます😊 (2022年12月5日 19時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JADE | 作成日時：2022年11月28日 0時
