存在意義 ページ18
「お待たせ」
「大丈夫。そんな待ってないよ。忘れ物ない？」
PCの入ったリュックを肩に掛け靴を履きながら出てきたAに話しかける
「うん。じゃあモトキの家に戻ろう」
２人は来た時と同様に手を繋ぎ歩き出す
「今日編集終わったら行きたい所ある？どこかに出掛けてもいいし、ずっと俺の家で過ごすでもどちらでもいいんだけど」
残された時間を気にしながらモトキがAに尋ねる
「モトキの家でいいよ。出来るだけ２人だけで過ごしたいし」
「わかった。ならスーパーに寄ろう。２人で何か作ってさ。一緒に食べよう」
その言葉にAは
「···普通のカップルみたいだね。こういう過ごし方って」
少し淋しげにそう言った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スーパーに寄り自宅に戻った２人
Aはモトキと過ごす時間を少しでも長くしようと普段よりもハイペースで編集を進め
「本当早いな···」
「次の職場はこのスキルを活かせる所を探さなきゃだね」
Aのその言葉にAが辞めれば完全に会えなくなるのを実感する
「そうだね···」
モトキはそのまま黙り込みAが編集するのを眺める
「終わったよ。待たせてごめんね」
「お疲れ様」
モトキはAを抱き締める
「晩ごはん作る？お腹空いてきちゃった」
お腹に手を当て笑うA
「俺も。よし、キッチンに行こう」
２人で並び調理を始める
「そう言えば···前に風邪引いた時に作ってくれたお粥、凄い美味しかった。料理得意なの？」
モトキは思い出したように話す
「あれは···昔教えてもらったらから···お母さんに」
Aから母親の話を聞くのは出ていった。その事以外で聞くのは初めてで
「そうなんだ···。思い出の味なんだね」
出ていった母を思い出す
父に借金を押し付けて男の人の逃げた母
今思えばよく綺麗な格好をして出掛ける姿を度々目撃した
父を裏切り自由奔放に生きていた母
当初は居なくなった母を恋しがり泣いた事もあった
大きくなるにつれ本当の姿を理解するようになるとその感情はなくなり
母に捨てられ父に置き去りにされ
過去の記憶はセピア色で
自分の存在意義もわからぬまま大人になって
普通の子供時代を過ごしたかったと願うA
だからこそモトキの子どもから父親を奪うような事は出来なくて
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JADE(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます☺️更新頑張っていきます〜🥰 (2022年12月9日 6時) (
レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごくいい話で楽しみでしかたないです。 (2022年12月8日 23時) (レス) @page40 id: b1ddaf8c9c (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - みーさん» 楽しんで頂けて嬉しいです☺️ちまちま更新頑張ります😆 (2022年12月8日 3時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続きが気になりすぎて…。2人にとって良い結果になるように祈ってます😭 (2022年12月7日 21時) (レス) id: 034e810e2c (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - まみさん» コメントありがとうございます☺️楽しんで頂けて嬉しいです😆また更新頑張ってきます😊 (2022年12月5日 19時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JADE | 作成日時：2022年11月28日 0時
