届かない叫び ページ16
２人はそのまま朝を迎えていた
離れていた時間を埋めるように何度も抱き合い
「寝かせるつもりだったのに···ごめん」
「お互い様でしょ。幸せだったからいいの」
互いに眠れぬ日々を送り毎日疲れた顔をしていた
今の２人は疲れた顔をしながらも互いに幸せそうで
「ちゃんと眠って欲しい。ご飯も···ロクに食べてないだろ？」
Aの身体に触れ
痩せてしまった身体を心配する
「モトキもね。私は大丈夫」
自分のせいだとわかっているモトキはそれ以上は何も言えず
「もう···これで会えないのか？」
モトキはAの言葉を待つ
「うん···もう会わない。だってこのままじゃお互い忘れられないから···もうシルクの家も寄らないようにする。昨日みたいにモトキと会ったら···またこうなっちゃうでしょ？」
涙を堪えて話すA
会えない事が耐えきれない
でも会えばAを苦しませる
我儘だとわかっていても。
「いつか会う事があれば···その時はお互い幸せになってるといいね」
Aはそう呟いた
それはもうこれで完全に２人は終わりだと告げていた
他の誰かが俺がAに与えてしまった心の痛みを消して
他の誰かがAを愛して
Aが他の誰かを愛する
その未来に進もうとするAを笑って送り出せる程、俺は器用じゃない
何も言わないモトキの次の言葉が怖くて
Aは起き上がり服を拾い集める
「行かせない」
モトキに手を掴まれベッドへと引き戻され押し倒される
「もう無理だって事···モトキが１番わかってるでしょ？」
自分を見下ろすモトキを真っ直ぐ見つめ問い掛ける
「それでも···行かせたくない」
我儘だってわかりきってても
掴んだ手を離す事が出来ず
「このまま会わなくなれば····いつかお互いに忘れられる日が来るよ」
「嫌だ··俺は忘れたくない」
モトキの言葉にAは溜息をつき
「···これ以上私を苦しめないで欲しい。諦めたいのに諦め切れない···」
Aはモトキを見つめ声を振り絞る
「ごめん···本当にごめん。苦しませてるってわかってるけど···帰したくない」
Aを抱き締めモトキは涙を堪えた
Aは覆いかぶさったまま涙を堪えるモトキの背中を優しく擦り
「大丈夫···大丈夫」
意味のないその言葉を繰り返し続けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
JADE(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます☺️更新頑張っていきます〜🥰 (2022年12月9日 6時) (
レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - すごくいい話で楽しみでしかたないです。 (2022年12月8日 23時) (レス) @page40 id: b1ddaf8c9c (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - みーさん» 楽しんで頂けて嬉しいです☺️ちまちま更新頑張ります😆 (2022年12月8日 3時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 続きが気になりすぎて…。2人にとって良い結果になるように祈ってます😭 (2022年12月7日 21時) (レス) id: 034e810e2c (このIDを非表示/違反報告)
JADE(プロフ) - まみさん» コメントありがとうございます☺️楽しんで頂けて嬉しいです😆また更新頑張ってきます😊 (2022年12月5日 19時) (レス) id: 71c576afd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：JADE | 作成日時：2022年11月28日 0時
