夜が明けるよ朝は嫌いなのに ページ21
「これからもさ···こうやって2人で色んな初めてを経験してこうな」
優しい眼差しでAを見つめるマサイ
「うん···。ずっとこうしていられたらいいのにね」
本当ならあのまま無事カップルになって
幸せになるハズだった
夏希やタケルの事も解決はしていない
2人はなんの障害もなく穏やかに過ごせる日々を願っていた
「ほら、今日は全部忘れて過ごそうって言っただろ?楽しい事だけ考えようって」
「そうだったね。じゃあこのままずっとイチャイチャして過ごそうっと。マサイ不足がまだ解消されてないし」
戯けて笑うAをマサイは抱き締め
「大好きだ」
そう言ってAの頭を撫でる
2人は不安を口には出さなかった
今だけは忘れようとしていた
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夜が明けようとする頃
2人はベッドで目を覚ましていた
「なんか早く起きちゃったね」
「そうだな」
互いの肌に触れながら2人は微睡み
「なぁ、まだ家を出るまで結構時間あるし朝風呂でも入るか?」
昨夜2人は肌を重ね、そのまま眠ってしまっていた
「そのまま寝ちゃったもんね」
マサイは起き上がるとバスルームで準備を始め
Aは気怠い身体をベッドへと沈めたままぼんやりとしていた
「どうした?」
戻ってきたマサイが声をかける
「···今日、夏希ちゃんに会ったら···私はなんて言うんだろうって。夏希ちゃんのやった事は間違ってるけど···気持ちもわかるから」
好きな人に振り向いてもらえない惨めさも
好きな人が笑いかける相手を憎む気持ちも
「俺は許す事は出来ねぇ。アイツのせいでAと別れたんだぞ?簡単には許せねぇよ」
マサイの怒りは最もで。
「それでも今はこうして私達は一緒にいるよ。強制はしないけど···少しだけ夏希ちゃんの気持ちも考えてあげてみて」
Aは優し過ぎる
それはいい事だってわかっている
「わかった。考えてはみるよ。それでも簡単には許さねぇからな」
「わかってる。考えてくれるだけでもいい」
「一旦この話は終わろう。ほら風呂沸いたから、行くぞ」
マサイはAの手を引く
「えっ?一緒には入らないよ?」
一緒のお風呂なんて···そういう事をしている関係でも恥ずかしさのハードルは高いもので
「無理。拒否権はないぞ」
マサイはAを抱き上げ連れ去る
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作者名:JADE | 作成日時:2022年11月7日 16時