一方的な要求 ページ3
マサイはタケルを無視して立ったまま話を続ける
「このままでいい。用件をさっさと言ってくれねぇか?この後、大事な用があるから早く帰りてぇし」
イラつくマサイにそれまでだんまりを決め込んでいた夏希が口を開く
「マサイさん相変わらず冷たいですね。Aさんにはあんなに優しいのに」
「お前等には関係ねぇだろ。早く用件を言えって」
急かすマサイにタケルが話し出す
「せっかちだな。まぁいいや。用件は1つだけ」
そう言ってタケルは立ち上がるとマサイの前に行く
「Aと別れて」
「はっ?」
マサイの顔が更に険しくなり
「俺はどっちでもいいんだけどね。付き合ってようが別れようが」
タケルのその言葉にマサイは疑問符を浮かべる
「マサイさん。私やっぱり諦めきれなくて。でもマサイさんは私の事なんとも思ってませんよね?」
夏希の言葉にマサイは答える
「それは何度も言ったと思うけど?お前に興味はねぇって」
マサイの言葉に夏希は顔を歪める
「どうしても欲しいモノが手に入らないって思った時···マサイさんならどうします?」
マサイの返事も聞かず夏希は続ける
「諦める?奪う?···それとも···自分のモノにならないなら壊そうと思う?」
マサイは黙ったまま
「マサイ、女を振る時は後先も考えないと駄目だろ。女の嫉妬ほど醜いもんはねぇーぞ?」
楽しそうに笑うタケル
「私、諦めるようって何度も思ったんですよ。マサイさんにはAさんしか見えてなさそうだし。でも···やっぱり無理でした」
夏希は感情のない声で話し続ける
「大運動会の後···タケルさんに声をかけられて。色々話してびっくりしましたよ。タケルさんがAさんの元カレだった事知らなくて」
「その話したら色々意気投合してさ。俺はマサイに勝負で負けて恥をかかされたし夏希はマサイに振られたし。所謂負け犬同士、気が合ったみたいでさ」
マサイは黙って2人の話を聞いていた
反応しないマサイに構わずタケルは核心をつく言葉を放った
「夏希は2人が幸せになるのが許せないんだって。手に入らないならいっそぶち壊したいって相談されて。怖いね。女の嫉妬って」
他人事のように話すタケルにマサイが口を開いた
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作者名:JADE | 作成日時:2022年11月7日 16時