Trial Lover 〜お気に召しました？〜３ (ページ18)

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新婚さんいらっしゃいページ18

「こっちのクローゼット片付けたからこのスペース全部使えよ」

マサイは寝室のクローゼットへAの荷物を運ぶ

「機材は作業部屋に持ってくぞ。充電とか好きに使っていいから」

マサイはAが暮らしやすいよう気を使った

なんだか新婚さんみたいだな。なんて思ってしまう

「撮影はモトキが使ってない部屋を貸してくれるって言ってて。モトキの所なら行ってもいい？」

「あぁ。モトキならいいよ。他の男なら駄目だけどな」

その言葉にAはずっと悩んでいた事を言いかけた

あの日、モトキとキスをした事をマサイには話してない

付き合ってない期間とはいえAはマサイに隠すべきか話すべきか悩んでいた

言えば自分は楽になる

罪悪感から解放されるから

でもそれは同時にマサイを傷付ける事になる

話せばマサイはずっとその事実を背負う事になる

罪悪感から逃れたくて話すのは間違っている

そう思ったAはずっと黙っていた

モトキもきっと話してないのだろう

話してたのならマサイがモトキならいいと言うとは思えない

Aはマサイが既に知っているとは知らずそう考えていた

「どうした？急に固まって」

「ううん。何でもないよ」

「···Aの何でもないは何かある時って事くらい俺はわかってるつもりだけど？言いたい事があるなら話せ。何でも受け止めるって言っただろう」

マサイの言葉に話し出しそうになる

マサイを傷付けたくない一心でAは取り繕った

「本当になんでもないってば。ちょっと考え事しててぼんやりしてただけ」

モトキの話をしてから考え込んでいたAを見てマサイはどうすべきか悩んでいた

知ってる事を告げてもいいのかと

それを言ってAが楽になるならいい

けど、それでAが負い目を背負うのだけは避けたかった

誰も悪くないんだって

だから気にしなくていいんだって

そう言えばAの心は軽くなるだろうか？

「なぁ」

「どうしたの？」

問いかけるマサイにAは反応する

「俺にはなんでも話せってAに言ったけどさ···俺、Aに話してない事があるんだ」

マサイの言葉にAは少し不安げな表情で

「いや、悪い話じゃないから。不安にならなくていい」

Aの表情を読み取り弁解する