SPなモトキくん ページ16
AとモトキはAの自宅近くまで来ていた
「怪しそうな車も見当たらないね。マサイの言った通り見張りはいなくなってるのかも」
モトキは辺りを警戒しながら歩く
「モトキ···SPみたいだね」
「マサイの代わりに守らなきゃいけないからね。こう見えて空手やってたから多少は強いよ」
クスクスと笑うモトキにAも笑う
「前に動画で回し蹴りしてたもんね。あれカッコ良かったよ」
エレベーターに乗り込みながら話し続ける
家へと入り荷物を纏めるAを手伝う
「機材どうしようかな····」
普段の撮影は8割が自分の部屋の中で。
マサイの家で撮影してしまうと背景からマサイの家だとバレてしまう可能性を考えていた
「俺の家を使えばいいよ。グループの撮影には使ってない部屋があるから撮影用スタジオで撮ってるとかなんとでも言えるし」
「じゃあ持っていこうかな」
Aは荷造りを再開する
モトキはリビングのソファーを見つめていた
あの日ここでしたAとのキスを思い出し
あの時無理矢理にでもAを自分のモノにしていたら未来はどう変わっていたのかなんて考えてしまう
「モトキ···どうしたの?」
手が止まり一点をぼんやり見つめているモトキに声をかける
「ん···何でもないよ。荷物はあとどれくらい?」
「主に着替えがあればいいしそこまでないかな。着替えと日用品と機材と···あとこの子も持ってくの」
大きなカワウソのぬいぐるみを抱えるA
「マサイからもらったの?」
そう言うとAは嬉しそうに笑い
「うん。映画館デートした時にUFOキャッチャーで獲ってくれたの。私に似てるんだって」
そう言って屈託なく笑うAを見てモトキはあの時無理に自分のモノにしても俺ではこの笑顔は引き出せなかっただろうな···そう思った
「あー、確かにAに似てるね。それじゃあ行こうか」
Aは次はいつ帰れるかわからない自分の部屋へ別れを告げ
モトキと共にマサイの家へと向かった
「マサイ、夏希ちゃんと連絡取れたのかな」
エントランスホールに入りエレベーターを待つAが不安そうに呟く
「取れたとしても会ってくれるのかが問題だね」
Aとモトキはマサイの家に着き荷物を降ろす
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作者名:JADE | 作成日時:2022年11月7日 16時