直面 ページ14
服を着たAはマサイに抱き付く
「凄い満たされて幸せだけど·····怖いよ」
Aの言わんとする事がわかるマサイ
「そうだな····。まだ問題は片付いてねぇし」
夏希やタケルとどう話し合えばいいのか
無茶な要求をしてきたのだから無視すればいい
でもAを守りきれない事態が起きた時を考えるのと安直な行動を取れない
マサイはその事をずっと考えていた
「今日、シルクに全部話すからあとでシルクの家に行こう」
「わかった···。ねぇ、マサイ···」
「なんだ?」
「この先どんな事があっても···もう私から離れたりしないよね?ずっと一緒だよね?」
不安げなA
こんな風に不安にさせたのは自分で
「本当に悪かった。もう2度とこんな事はないから安心しろ」
そう言うとAは不安を隠すように微笑み
「絶対だからね···もうあんな思いは2度としたくないから」
「頼まれても離れてやらないから安心していいぞ。Aが俺の愛の重さに逃げ出しても地の果てまで追いかけるからな」
マサイが真顔でそう言うと
「それちょっと怖い。逃げ出したら追いかけてこないでよ。空気読もうよそれは」
Aは苦笑いを浮かべ
「俺の愛は重いって警告してきただろうが。本気にさせたなら最後まで責任取れよ」
マサイはそう言って自分に抱き付くAを抱き上げる
「よーし、離したくないからこのままシルクの家に行こうかな」
歩き出すマサイにAは苦笑いする
「恥ずかしいから!降ろしてよ」
マサイはゆっくりとAを降ろした
「不安は少し和らいだか?」
「そうだね。ありがとう」
2人はシルクの家に行く時間まで他愛のない会話をした
不安を掻き消すように
「そういえば···忘れる所だった」
マサイは立ち上がりリビングを出て行く
戻ってきたマサイの手にはあの日Aから取り上げてしまった予備のカードキー
「また持っててくれるか?」
「勿論。···あの子もマサイに渡さなきゃだね」
Aはそう言うと鞄からマサイが持っていたカワウソのぬいぐるみを取り出す
「あの日からずっと持ち歩いてたの」
自分の手に戻ってきたぬいぐるみを手に取りマサイは嬉しそうな笑みを浮かべ
「大事に持っててくれてありがとう。2度と手放さないから」
マサイはぬいぐるみをベッドボードへと飾り微笑んだ
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作者名:JADE | 作成日時:2022年11月7日 16時