Trial Lover 〜お気に召しました？〜３ (ページ2)

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不穏な空気ページ2

「マサイ」

待ち合わせした場所に着くとナオキが立っていて

「ナオキ、運動会ぶりだな」

軽い雑談を済ますとナオキは

「急にごめんな。この間マサイがメカに詳しいって話をしてたの思い出してさ」

ナオキの話を聞くとPC本体の不具合や、ルータなど自分ではわからないエラーでお手上げだという

「俺もめちゃくちゃ詳しい訳じゃねぇから直せるかわからないけど···。とりあえず見てみるよ」

「本当すまない···。俺の家ここからすぐだから」

ナオキに案内されマサイは住宅街を歩き出す

少し進むとマンションが見え

「このマンションだから」

オートロックを解除するナオキに続いて中へと入るマサイ

部屋の前へ着くとナオキは玄関を開けマサイを先に通す

玄関には男物、女物の靴が並んでいて

「お邪魔します···」

ふと誰か居る気配がして

マサイは怪訝な表情を浮かべる

ナオキは鍵を閉めるとマサイをリビングへと連れて行き

リビングへ続くドアを開けると中から声が聞こえた

「···············」

マサイの目には２人の人物が映し出され

「久しぶりだな」

ソファーには、口角を上げ笑うタケルの姿

そしてその隣には夏希が座っていた

「··マサイ···本当にごめん」

下を向き俯くナオキ

「·····どういう事？」

マサイは表情を変えずナオキに問いかける

「ナオキを責めんなよ？俺が頼んだんだよ。ここにマサイを連れて来いって」

何も答えないナオキに代わりタケルが答える

「ナオキ、これでもう用済みだから」

タケルはそう言うとナオキにUSBメモリーを放り投げる

床に落ちたUSBを拾うナオキ

「···ごめん··俺タケルに弱み握られてて···それで·····」

脅されてたって事か·····。

「もう出てけ」

タケルの一言でナオキはゆっくりと動き出し部屋を後にする

マサイは状況を把握しながらも疑問点が浮かび上がっていた

何故、タケルは自分をここに呼んだのか

何故、接点のないタケルと夏希が一緒に居るのか

マサイは疑問を抱えながらタケルに話しかける

「人を使ってまで俺をここに連れてきた理由は？呼び出される覚えはねぇけど？くだらねぇ事なら帰るぞ？」

マサイの言葉にタケルは

「まぁ座れよ。長い夜になりそうだしな」

タケルは笑みを浮かべマサイを促す