検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:37,599 hit

11 ページ11

.



.



この15分ほどの道のり



私もだし、彼もきっとお話しするのが苦手で、
たぶん人見知りで

だって今もあまり目を合わせて話すことができない。
こんなに話せてるのはたぶん奇跡。



店員と常連客、停電と雨、相合傘、慣れない距離感、非日常がきっとそうさせた。




「じゃあ、また」

「ありがとうございます、お気をつけて」

「気にせず中入ってくださいね」




小さく頭を下げた彼は、また雨の中に出た。


優しい人だな。
わたしの同級生の中にこんな優しい人いなかったよ。



彼の後ろ姿を見つめて、今日の自分の不甲斐なさの反省と彼への感謝の気持ちを反芻していると、急に立ち止まったその人。

くるっと振り返って、早足で戻ってきた。




「あ…あの!」

「は、はい!」

「お名前…聞いてもいいですか?」




しっかり見つめられたと思ったら、少し目線を下にずらして、恥ずかしそうに呟いた。




「僕、玉森裕太です」

「春川Aです」

「春川Aさん…覚えました。じゃあ…」




今度こそ振り返らずに行ってしまった、たまもりゆうたくん。



来週、あのカフェ行くのが心から恥ずかしくて
心から楽しみ




ゆっくりお風呂に入って、簡単な夕食を済ませても
なんだかふわふわ落ち着かない。



あの眠そうな優しい目とか、ゆったりとした口調
白シャツも似合っちゃうし、なんという好青年

当たり前に彼が淹れるコーヒーは美味しいわけだ。




『今日はケニア産のコーヒー、美味しかった。
すっきりした酸味がフルーティーだった。

今日は突然の雨で、停電もして
バリスタのお兄さん、たまもりゆうたくんに家まで送ってもらっちゃった。お礼したいなあ。

紫陽花無事でありますように。』



今日の金曜日も特別な日になった。

12→←10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (143 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
313人がお気に入り
設定タグ:玉森裕太 , Kis-my-ft2
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Chapi(プロフ) - ふーさん» ふー様 お返事が大変遅くなり申し訳ございません!素敵なご感想をくださり、ありがとうございます。私自身慌ただしい日々の中で心落ち着かせる時間って大切だなと思うので、届いてくださって嬉しいです。ゆったりではありますがこれからもよろしくお願いいたします! (2022年12月11日 21時) (レス) @page39 id: bb7ad5c321 (このIDを非表示/違反報告)
ふー(プロフ) - 更新ありがとうございます!このお話読んでいると私の時間までゆっくり流れるような気がして、世界が少し優しくなります。ありがとうございます!次の更新も楽しみにしています^^ (2022年10月24日 19時) (レス) @page38 id: aa1a944516 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Chapi | 作成日時:2020年9月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。