あまり変わらない ページ4
教室の扉をガラガラと開ける。生憎スパーン！と勢いよく開けるほど私は元気なやつじゃない｡
「着いたぁ…ふわぁ…くっそ眠い」
「あ、永野じゃん！はよー」
「ねえねえ、またやってよ！イワシのあれ」
「誰がやるかボケ」
茶化してきた男子にそう返すとちぇー…とつまらなさそうに自分の席に戻って行った。私も自分の席に座る。
すると、銀髪の男子が私に話しかけてきた。
「A〜！おはよ！元気なさそうだけどどうしたの？」
「明か…いや、朝から珍獣と格闘してたんだけどさ…どーも､最近寝不足でな…」
彼の名は湊明。クラスに一人はいる可愛いやつだ。下手すると私よりも女子力高い。
すると、隣から可愛らしい声が聞こえてきた。去年は違うクラスだったけど何故か仲がいい丸山りなと蛙楽玲花がいた。
「Aおつかれさまー!!ね、あっちゃん」
「そうだねぇ、りなー！」
「朝からイチャつくなそこ､さっさと爆発しろ」
「「えー？にゃがの辛辣ー」」
「誰がにゃがのじゃゴルァ」
朝からバカップルか!?と突っ込みたくなるくらいのテンションに思わず脱力する。
すると､制服の中に着ているパーカーが小さく引っ張られた。振り向くとピンク色のふたつ縛りが必死に背伸びをしていた。
「Aちゃん…大丈夫…？」
「ゆっきー‼大丈夫やで！」
「にゃがの、キャラ崩壊してるー」
「黙らっしゃい」
ゆっきーこと桃園雪子は去年から同じクラスで妹のような癒しオーラで周りを和ませていた。しかし､恐ろしいほどの人見知りなのでこうやってコミュニケーションを取ろうとする人はかなり少ない。
「おっおっお、A照れてるのか？おっおっ!!」
「だって可愛いじゃない。ゆっきーと明」
「なんで僕まで！？」
「わ、私…可愛くないもん！」
「あー可愛いわぁ…」
「帰ってこい､Aー！」
その光景にクラスが笑いに包まれる。嘲笑うやつやない､ほのぼのしたやつや。
………私なんで関西弁なんだろうか…？
続く
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作者名：白波凛 | 作成日時：2019年4月17日 19時
