第０話 始業式 ページ3
心地いい陽の光が顔に当たる。まだ寝たい。私は布団を深く被った。あー…まさしくここは…
すると、布団がバサッと剥がされた｡
「Aー！そろそろ起きなさい！」
「!?オカン､待って！あと5分！ああああ!!布団取らないで!寒い!!」
早くしないと遅刻するよ、と言う声に渋々ベッドから出た。
きょうの日付は4月7日､それは私の通う高校の始業式の日だ。
クローゼットから制服を取り出し袖に手を通す｡そして胸元のリボンをシュッと結ぶ。
下に降りるとウインナーの焼ける音がしていた｡テーブルにはランチョンマットがしかれ､その上には湯気が出ているご飯と焼きたてであろうウインナー､それとサラダが置いてあった。
それらを食べ､学校に行くために駅に向かう。根性で行けば自転車で行けるがあいにく周回が出来ないので私はお断りだ｡すると､後ろからどんっと衝撃が走った。
小さめの手が私の腰のあたりに回されている｡こんなことをするのはあの子しかいない。
後ろをむくと､水色のアホ毛が動いている少女がいた｡彼女は永沢芽衣。去年も同じクラスだった子だ｡
「Aー！おはよぉー!!」
「うおっ、なんだよ、ぷにちゃんか…後ろからいきなり抱きついてくるなって」
芽衣は「もしかして不機嫌ー？」とふわふわの髪を揺らして聞いてきた。単純に朝はテンションが低いんだよ…と返す｡ちなみにほっぺがぷにぷにだからぷにちゃん。ポ○モンのやつじゃない。
改札に定期をかざし､いつも乗る電車の号車に向かう。すると､見覚えのある紺色の髪があった。
「？」
「あー…小鳥ちゃんだ…同じ駅だったんだねぇ」
「あら、永野さんに長沢さん…」
「あ､芽衣でいいよー。長沢さんって長いじゃん」
月乃小鳥さん｡彼女は去年は隣のクラスの人だった。月乃さんは私達に一緒に行かないかと提案した｡断る理由も特になかった私達は彼女と一緒に向かうことにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白波凛 | 作成日時：2019年4月17日 19時
