ずるい人間 ページ36
チャニョルSide.
「これからも、よろしくっ」
そう俺が言うと、Aは言いたいことがあるような顔をしながら部屋から出ていった。
俺はまた椅子に座り、ベッキョンのことを聞いてきた時のAの顔を思い出す。
あの少しはにかんだような顔・・・
俺と会った時と表情が全然違うんだな。
・・・ベッキョンは良くて、俺は駄目なのかよ。
俺がベッキョンだったら、どんな反応をしたんだろか。
頬を赤くて微笑む？
それを想像するだけでも、
「・・・やっぱ腹立つ」
どうやったら俺にも微笑んでくれるんだろう。
・
・
・
何も考えないように、ダンスレッスンを２時間ぶっ通してやる。
でも、思うように踊れなくて更に苛立ちが募った。
「はぁ、はぁ・・・」
息をあげながら、俺は練習室の隅に座り込む。
「今日のチャニョリ、なんか変だぞー」
と、ベッキョンが笑って言う。
お前のせいでもある、とは言えるはずもなく、
「変じゃねぇよ〜ダンスは変かもしんないけどっ」と笑って答えた。
それを聞いたベッキョンが笑いながら、ポケットから携帯を取り出した。
・・・まだ、Aとやり取り続いてんのかな。
聞き出そうにも、上手く聞く理由が思い浮かばない。
すると、
「・・・なぁ、チャニョリ、ツアー終わったらさ、またチャニョリん家に遊びに行ってもいー？」
ベッキョンが携帯を触りながら聞いてくる。
「な、なんで？」
「え？特に理由はないけど〜・・・・宿舎じゃ、あんまり大きな音でゲーム出来ないしさっ」
ベッキョンの顔が少しぎこちなくなる。
・・・Aに会えるかもしれないからって正直に言えばいいのに。
「お、おー」とだけ返す。
俺も正直に聞いてしまえばいいのに。
・・・でも、本当のことを聞いたら、どうなるか、心のどこかで分っていたから、何も言えなかった。
俺だって、ずるい人間なんだ。
・
・
・
家に帰り、明日から始まる香港と日本のツアーの2週間分の荷物を用意する。
「服も、キャップも入れたし・・・あ、あとコレも」
ベッドの近くに置いていたお気に入りのくまのぬいぐるみも詰め込む。
「スーツケースは終わりだなー次は鞄か」
そう思って鞄の中を整理し始めた時、今日もらったAの名刺を見つけた。
「・・・」
名刺に書いてあるアドレスと電話番号を見つめながら、携帯を手に取る。
そして、番号を打ち込もうとしたが、指を止めた。
「はぁ〜・・何やってんだ」
そうして、名刺を手帳へと閉まった。
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にいな(プロフ) - と、とても面白いです〜（ ; ; ） 二章も楽しみにしてます！頑張ってください。 (2017年2月28日 17時) (
レス) id: c23700d7a7 (このIDを非表示/違反報告)
めん(プロフ) - ペコさん» 日課に・・・！嬉しいです(><)！今後は更新速度が遅くはなりますが、楽しみにしていただけるよう頑張ります！ (2017年2月28日 16時) (レス) id: 52417d9b0d (このIDを非表示/違反報告)
めん(プロフ) - まるさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！ (2017年2月28日 16時) (レス) id: 52417d9b0d (このIDを非表示/違反報告)
ペコ(プロフ) - こんばんは！仕事から帰ってきて更新されてるかなって見るのが日課になってました！チャニョルにキュンキュンしちゃいました(*^^*)ベクペンなんですが、ついついハマって読んでしまってます！ (2017年2月28日 1時) (レス) id: d2f2d687fb (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 毎日楽しみに待っています、無理せずに更新よろしくお願いします。 ホントに面白くてドキドキです。 (2017年2月27日 22時) (レス) id: efad14a470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めん | 作成日時：2017年2月10日 3時
