落花流水 (ページ7)

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夢で逢えたらページ7

Aside

夜は嫌いだ。

というより、朝が、昼が幸せすぎるのかもしれない。彼との日々が幸せで、寝てしまうのには勿体ないのだ。

『A〜もう寝るで、おいで』

いつも通り2人で一緒にベッドに入る。
今日は特に眠りたくない気分だ。

『電気消すな？おやすみ』

うぅ、だとか、んん、だとか。そんな声を出して彼に抱きつく。彼にこの気持ちが伝わるように。

『A？どした、？』

彼は優しいから、わたしをいつだって心配してくれるし、いつだってわたしの1番の味方だ。

｢…ねたくない、よるきらい｣

『そーか、寝たくないか〜、それはなんで？』

｢、ねたらやまもとくんと話せない、｣

きっと彼も同じ気持ちだと信じて、でも、彼には嫌われないように控えめに。
わたしがそう言うと彼は困ったように笑った。

『ふは、なんやそれ笑』

『俺は好きやで、Aと一緒なら寝るのも。』

｢…っ、なんで｣

彼は、わたしと話せなくても、会えなくてもいいのだろうか。不安になっていると、ぎゅ、と彼に抱きしめられた。

『だって俺、夢の中でもAと会ってるし。喋ってるし。』

｢…え、｣

何がおかしいのか分からない、といった表情でこちらを見つめる彼。

『起きてる時にAといっぱい喋るのも好きやで？でも夢の中でAに会うのも好きやから。俺は寝るの好きなんやけど。』

毎日寝る前にAの事考えてるからかもな〜、と笑う彼がなんだかおかしくて、だいすきで。

｢わたしもやまもとくんに夢で会う、｣

『おっしゃ、じゃあ夢の中で待ち合わせな？』

｢…だいすき。おやすみ｣

『ん、俺も大好き。おやすみ。』

────夢で逢えたら、きっとこれからは夜も大好きになるんだろうな。

そんな事を考えながら、彼の腕のなかで目を閉じた。